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【ちょっと懐か史】~1996年3月『小泉八雲賞の廃止が決まる』ふるさと創生事業の基金運用で行き詰まり~

小泉八雲賞?そんな賞あったけ?と思われるかもしれませんが、あったのです。
1989年から1996年の7年間、それは、バブル期の終わりに咲いて散っていったあだ花のようでした。

『ふるさと創生事業』って覚えていますか?
憶えている人はギリ昭和世代だと思います。

今は昔、日本中がイケイケだった昭和の終わりのバブル期1988年昭和63年)ー。

なぜだか理由はわかりませんが、時の内閣総理大臣、竹下登氏が発案した公共事業ー全国の各市区町村に地域振興のために自由に使っていいよ、と1億円を大盤振る舞い、もとい、交付したのが、世に言う『ふるさと創生事業』です。

バブルの時代ですから景気が良かったんですねー。ポーンと1億円を配っちゃいます😮。

全国の各自治体のなかには。1億円の使い道に頭を悩ませたところもあったのでしょうね。
やはり観光施設や公共施設の整備などに、1億円を使ったところが多かったのかな🤔。
(どこか、宝くじを1億円分買って、結局、最後はほぼ使い切ったところもあった記憶が・・・😓)

その中で松江市は『ふるさと創生事業』として、松江市を舞台にした作品を多く残した文豪・小泉八雲の来日100年を記念し、『小泉八雲賞』・『小泉八雲市民文化賞』を1989年に創設しました。

小泉八雲賞』は新たな視点で日本文化を表現した文学作品や評論が、『小泉八雲市民文化賞』は島根・鳥取の文芸活動が対象で、副賞は200万円です。

賞の運営基金として『ふるさと創生事業の1億円を充てたのですが、金利低下のため運用益は年々減っていき、当初の700万円から210万円に下がっていきました。

1996年3月9日の新聞記事によると、両賞の運営には年間約1千万円が必要で、不足分を一般会計から補填していたのですが、今後ますます運用益が低下する恐れがあるため、松江市は『小泉八雲賞』・『小泉八雲市民文化賞』を新年度から廃止することを決めたそうです。

小泉八雲賞』・『小泉八雲市民文化賞』という賞があったということも知りませんでしたが、これは続けてほしかったですね。
ですが、資金不足はいかんともしがたいです。文化事業は、お金がないと立ち行かなくなります。

今後、公共料金・生活必需品のさらなる値上げ→でも企業の給料はあがらない→物の買い控えがおきる→雇用が縮小される→不景気になる、という負のスパイラルがおきて、文化事業や文化財の保存・運用なども削減されてしまいそうな気がします。
 
国民生活とともに、文化事業などに対しても、国からの援助を期待したいところなのですが・・・🤔


■引用資料
読売新聞1996年3月9日紙面


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