[いだてん噺]本選手(905文字)
岡山高等女学校では、授業が終わる午後2時から1時間半ほど、課外運動時間が生徒に与えられていた。
テニスの練習に打ち込んだ甲斐あって2学期が終わる頃には、絹枝はクラスの中で一、二を争う実力者になっていた。
そして2年生になった5月、絹枝はテニス部の部長であった教師に教員室に呼び出された。
数学の点が悪かったことを叱られるのではと、絹枝は内心穏やかでなかった。
「家の方では別に何も申しませんでしょう」と絹枝は言ってしまったが、家では、祖母を含めた家族全員が反対をしたのだった。
もっとも絹枝も引きさがらず、毎日午後2時の授業が終わると、6時ごろまで、熱心に練習を続けるのだった。
■参考・引用資料
●『二階堂を巣立った娘たち』 勝場勝子・村山茂代:著
●『人見絹枝―炎のスプリンター (人間の記録)』人見 絹枝:著、 織田 幹雄 ・戸田 純:編集
●『1936年ベルリン至急電』 鈴木明:著
●『オリンピック全大会』 武田薫:著
●『陸上競技百年』 織田幹雄:著
●国際女子スポーツ連盟 - Wikipedia アリス・ミリア - Wikipedia
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