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お客様との心のつながりを大切にする経営その現場で「カイクラ」が果たす役割とは

奈良日産自動車株式会社は、奈良県下に新車販売・中古車販売・自動車整備工場の10拠点を構える自動車ディーラーだ。
1954年の設立以来、地域のお客様に寄り添い、徹底的にニーズを把握することを第一とした経営を行ってきた。
そんな同社のCS向上に関する独自の取り組みや、おもてなしの現場で「カイクラ」が担う役割について、取締役営業部長の安達氏に伺った。

「お客様は何を目的に来ているのか」という真のニーズを把握する

―― お客様へのおもてなしで、最も重要だと思うことはなんですか。

 接客で一番重要なのは、「今日来ていただいたお客様のニーズが何であるか」をしっかり把握することです。
数年前までは、お客様が車を購入するまでのステップとして、平均4~5回は来店すると言われていました。しかし、ここ数年は1.9回、なんと半分以下になったと言われています。日産が独自に行った調査では、お客様の購入までの平均来店回数は平均1.6回だったそうです。

―― 平均来店回数が半分以下にまで減っているというのは、とても驚きました。

ほとんどのお客様は2回お店に来ることなく、初回で購入を決めているんです。そうなると、来店される方の多くは「何かを買おうと決めている人」とも言えますよね。
であれば、こちら側も「お客様は今日、車を買うために来店しているんだ」という意識を持たなくてはいけません。
それを昔と同じ感覚で「初めて来たんだから買うわけがない」と決めつけるのは、時代遅れです。
これだけインターネットが普及した今は、車のカタログを取りにわざわざ来店する必要もありません。当然、車の細かい情報やレビューも世の中にあふれています。
それを踏まえたうえで、一人ひとりのお客様について「来店された目的は何だろうか」と考えることが大事です。お客様の目的をしっかり果たさなければ、選ばれるお店にはなれないと思います。

――来店回数が半分以下になったのは、ある意味では効率的と言える一方で、お客様との人間関係を作るという意味では難しい時代だと思います。そのあたりはいかがですか。

それは確かに難しい課題です。
昔のように4~5回お店にいらっしゃるのであれば、家族構成や車を検討している理由を詳しくお聞きするなど、徐々にお客様と人間関係を作っていくことができました。
しかし、お客様が「今日は車を買う」と決めているのであれば、人間関係を作るよりも商品説明をする方が重要なのかもしれません。
ここ数年は、営業スタッフにタブレット端末を持たせて、カタログには載っていない車の情報を説明できる環境を整えています。例えば車の安全性能
について、衝突実験の動画で自動ブレーキの利き方を見てもらうなどの使い方です。
お客様の不安を解消することや、お店に来たからこそ知れる情報を提供することにも力を入れていますね。

「カイクラ」は奈良日産のおもてなしに欠かせない存在

―― 御社は2017年から「カイクラ」をご利用いただいていますが、初めて「カイクラ」を知ったときの印象をお聞かせください。

「カイクラ」を導入した2017年は、新車7店舗・中古車2店舗の計9店舗で営業していました。 
当時は一部の新しい店舗にのみナンバーディスプレイが入っていて、お客様とのやりとりでも「今、電話番号出ていますよね?」と聞かれて「申し訳ありません、当店はナンバーディスプレイがなくて…」という会話が多かったです。当然、そういう店舗ではお客様に毎回ご連絡先を聞いている状態でした。
CS担当の私としては、そのやりとりを聞いて電話機を変えたいとずっと考えていました。
そんなときに「カイクラ」を知って、まず私が思ったのはお客様に連絡先を聞く手間が解消できるということです。さらに、電話番号が着信音の鳴る少し前にポップアップで出てくるので、応対者が心構えできる点も非常に良いなと思いました。

―― 「カイクラ」を導入して、お客様の反応はいかがでしたか。

当社では、お客様からの電話にはお名前を呼んで応対しています。
最初は「なんで知ってるの?」と不思議がられたり、中には怖がる方もいたりしたようですが、スタッフが「当社をご利用いただいているお客様のお名前は、きちんとわかるようにしています」と説明すれば、たいていご納得いただけます。

――「カイクラ」を実際に使ってみて、使用感は当初の期待通りでしたか。

はい、期待していた通りでした。
今回このインタビューを受けるにあたって、各店舗に「せっかくだから『カイクラ』で改善して欲しいところがあったら教えて欲しい」と聞いてみました。でも、不満の声は全くなくて、とても便利に使っているという声ばかりでしたよ。
来店いただいたり、お電話をくださったりしたお客様の情報を「カイクラ」に蓄積していけば、着信があったときにワンストップでお客様の情報が出せますし、予約状況との紐づけも簡単なので、すごく便利なシステムです。スタッフは口を揃えて「もし『カイクラ』がなくなったら困る」と言っていました。
それくらい、当社のおもてなしの現場に浸透しています。

お客様情報を蓄積できる「カイクラ」のおかげで、電話・来店時のおもてなしの質が高まった

―― 「カイクラ」を現場の皆さんが上手く使ってくださり、大変嬉しく思います。そういったツールを現場に浸透させていく際には、何がポイントになるとお考えですか。

現場のスタッフが「カイクラ」を本当に便利だと思っていて、使いこなしたいという気持ちがあるからでしょうね。
実は、「カイクラ」を導入した当初は、スタッフの中には面倒がって情報を入れない者もいるんじゃないかと不安に思っていました。
でも、予想に反して店舗ではどんどん情報を蓄積して、次にお客様が来店されたときにどう対応するかをしっかり考えているようです。

―― 確かにお客様の立場になってみれば、何度か来店しているのにスタッフがそれを把握していなかったら、ちょっとガッカリします。

2回目以降は、やはりお客様としても「自分のことを覚えてくれているだろう」という気持ちがどこかにあると思います。「カイクラ」があれば、前回の来店日や対応したスタッフ、お客様の車の情報も入れられるので、全部把握できますよね。そうすれば2回目以降の対応が全
然違ったものになりますし、お客様の気持ちも裏切らずに済みます。

―― お客様が感じる「店舗との一対一の関係性」と、店舗側が思う「お客様との一対多の関係性」のギャップをいかに埋めていけるかということですよね。

その通りです。人間の記憶には限界がありますし、スタッフは毎日たくさんのお客様の対応をしているので、一度お会いしただけではなか
なか思い出せない場合もあるでしょう。それを助けてくれるのが「カイクラ」ですし、私たちが導入前に「こんな風に使えたらいいな」とイ
メージしていた通りに現場で使えていると思います。

―― 御社は、受付や店舗での接客を長年大事にされてきた文化があるからこそ、電話応対も含めたお客様へのお声がけの大切さが現場の隅々まで浸透しているのだと思います。それが「カイクラ」を使いこなすことにもつながっているのかなと思いました。

「お客様を大切に想う気持ち」をいかに伝えるかが、CS向上の分かれ道

―― 「カイクラ」は御社のCS向上に貢献できるサービスだと思いますか。

そう思います。CSと一言で言っても、実際はとても難しく奥が深いものですよね。
いったい何をするのがお客様満足度の向上につながるかというのは、その時代に合わせて深掘りしていくべきですし、会社によっても違うと思います。
お金をかけてサプライズをするだけがCSではなく、「当社はお客様を大
切に想っています」ということをいかに伝えられるかが最も重要です。
それを体現できているのが「カイクラ」だと思います。電話もショールームの対応と同じで、お客様と接する入り口の部分ですから、とても大事な仕事です。
お客様からのお電話に「〇〇様、いつもお世話になっております」と名前を呼んで応対すると、多くの方は「この会社は自分のことをわかってくれてい
る」と安心するようです。それができるのは「カイクラ」ならではですよね。

――CSは「ここまでできたら終わり」というゴールがないので、本当に難しいですね。常に考え続け、工夫を重ねる必要がありますね。

はい。車は大きな買い物ですから、お客様からすれば「お店のスタッフには自分のことを覚えておいて欲しい」というのは当然のニーズです。
それにきちんと応えるには、今までの営業スタッフ個人に頼る方法だけではいけません。しっかりと店舗単位でお客様を把握し、お客様の思っている以上のことができたとしたら、感動にもつながるでしょう。
特に自動車業界は、一度車を買っていただいたら終わりではありません。
オイル交換や車検、買い替えも含めれば、一生涯のお付き合いになります。そのあたりをどこまで深掘りして、おもてなしに落とし込めるかが大事だと思いますね。

まとめ

――お客様の来店回数が従来の半分以下に減ったこと、そんな中での御社独自の取り組みまで、大変勉強になるお話を聞かせていただ
きました。御社にはぜひ今後も、高いレベルでのCS向上を追求していただきたいと思います。本日はありがとうございました。


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