見出し画像

【1月号】異世界ニュース 雪積り-1

"氷解した洞窟で幻想的な宝石が発見される"

 
 冒険者たちの関心を集めている氷の洞窟にて、驚くべき発見がなされました。洞窟の調査に向かった冒険者らが、その奥深くで幻想的な氷の宝石を発見したのです。

 話を聞くと、最初の空の台座のみだったとのこと。しかし同行していた弓使いがその台座の下に隠し通路を見つけました。そこに広がっていたのは氷に包まれた薄青の空間。その氷の壁一帯そのものが、幻想的な輝きを放つ氷の宝石だったというのです。

「……あれを絶景って言うんだろうね。すごかった」

 その透き通った氷の中に複雑な模様や鮮やかな色彩が凝縮されており、まるで内部に微かな火が宿っているようにも見えます。伝承では『宝石』とされていたことから単一のものだと思われていた宝石でしたが、この発見により金脈のように塊として見つかる新たな鉱物との認識に改まりました。

 現在発掘作業が進められると共に、サンプルが各国に渡っています。彼らは宝石の魔法的な力や発生条件について解明を試み、その特性や可能性……及び加工方法を探求するために研究を始めています。

 装着すると雪が自然と避けることも報告されており、足を取られがちな雪山の探索に役立つことが示唆されています。この発見は、新たな冒険の始まりとなると言って差し支えないでしょう。

 ごめんなさい……。
 まさか……いるとは……思わず……。

 いやそれはこっちの台詞なんだが……。
 どうしてこんなところに……。

 ……あな、落ちた。
 ほうこうおんち、わたし。


 それにしても穴に落ちて奥の部屋に……とか思わないだろ……。
 でもおかげさまで、宝石が見つかってよかった。

 あとちょっとで……。
 こおりづけになるとこだった……。
 
 わたしも宝石……のなかまいり……?

 物騒なこと言わないでくれ!?


 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?