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【12月号】異世界ニュース 冬の訪れ-4

"氷に包まれた迷宮、謎深まる"


 とある洞窟の入り口を覆っていた氷が溶け、閉ざされていた迷宮──ダンジョン──の扉が開きました。この氷は『魔氷』と呼ばれるもので、火を近づけても、10人がかりで炎魔法を衝突させても溶けることのない氷として有名でした。入口を調査したところ迷宮内部に人が探索した形跡は見つからず、踏破検討の迷宮として登録が進められています。

 付近の村では夏でも溶けない氷の宝石の言い伝えが残っており、入り口の魔氷がその宝石だと長くされていました。この度、その氷が溶けたことで「言い伝えの氷はあの氷ではなく、内部にあるのではないか」との噂が流れています。言い伝えが真実であれば、この氷の宝石は多くの人々を魅了する話題となるでしょう。

 「炎に負けない氷?そんなの、武器に使うしかないじゃないか!」

 ただし迷宮内部は未開拓であり、非常に暗く足場も濡れて滑りやすいためたいへん危険です。現在、近くに停泊していた冒険者によって初期探索が進められています。

 新たな素材としての可能性も秘められている氷の宝石は存在するのか?しないのか? この謎は冒険者だけに留まらず、武器を生産する鍛冶屋でも注目の目が寄せられています。

 えー!アレなくなっちゃったの!?
 あたしの拳で割りたかったのに!

 欠片とかもないのかな!?

 私もどうせなら試してみたかったわ。
 手始めに極大魔法24時間くらい当てたら溶けてたのかしら?
  
 ……欠片でもあれば試せるんだけど。

 ……!
 (同志を見つけたような顔)

 ……。
 (へぇ……やるわねという顔)

 なんか脳筋同士意気投合してる……。

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