小さな喫茶店

 かつて暮らした町の隣町は喫茶文化が盛んで、あちこちに小さな喫茶店があります。コーヒーとホットケーキで有名な小さな喫茶店は、ひさしぶりに訪ねてみれば昔と変わらぬお店の佇まい。美味しさも昔と変わりませんが、マスターの増えた白髪に時の流れを感じます。壁に貼られた「写真撮影ご遠慮ください」の文言に、マスターもご苦労されたんだなと、思いを馳せました。
 この町にはお気に入りのお店が他にもありましたが、お客とのトラブルが絶えず、ついにはお店を閉めてしまったところも。善良なお店や店主がお客のエゴにただ我慢するしかないだなんて、なんだやるせないです。野暮な人のSNS発信にマスターもどうか負けないでと、無言のエールを送りました。

 久しぶりに行った興奮から手袋を忘れてしまい、数日後に受け取りに伺いました。このお店やマスターのファンは居て、静かに見守っています。いつまでも続けてほしいと願いました。

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