五等+ポーカー⁈3倍シュバリーについて①

先日新潟の五等界隈にて導入された五等新ルールが、3倍シュバリーです。その名の通り、普通のシュバでアガリ枚数が倍になるのに対して、3倍になります。しかしただ強化版を入れるような芸のないことはしていません。

3倍シュバは、シュバ棒に加えてチップ20枚を供託することでかけることが出来ます。
そして面白いのが、この20枚がシュバ対象であることです。20枚というのは赤2金5の新潟五等を想定した枚数です。本家五等なら15枚などがいいかもしれません。

3倍シュバを打って相手にアガられれば20枚持っていかれます。シュバ追っかけにアガられれば40枚、3倍シュバ追っかけにアガられれば60枚です。
これにより、押し返しやめくり合いのシチュエーションが増えて面白そうだな、くらいにしか最初は思ってませんでしたが,よくよく考えていくと、オッズ(必要勝率)の突きつけ合いというポーカーチックな要素があり、非常にゲーム性が高かったのでここに紹介します。

まずポーカーのオッズの考え方について簡単に説明します。

ポット(取った人が貰える、供託されたチップ)が100というシチュエーションで、相手が50にレイズしてきました。
これにコールすると、
ポットは100+50+50=200
となります。
50払って200を取りに行くので、4回に1回以上勝てればプラスになり、必要勝率は25%です。
相手が100にレイズしていた場合は、100を払って300を取りに行くので、必要勝率33%です。
それを踏まえて、3倍シュバの簡単なシチュエーションを考えてみましょう。
先制リーチが入っていて、あなたが追いつきました。リーチすることまでは決めています。
これを普通のリーチに留めるか3倍にするかで悩んでいます。
簡単に考えるために、3人回しを想定します、抜け番はいません。
そしてこの3人目の他家はベタオリし、差し込みもしない状況を想定します。
極端な話、自分の手が100枚貰えるような手ならノータイムで3倍にするはずです。
逆に3枚貰える程度の手では、20枚出すリスクに見合わないので打てないはずです。
実際に何枚くらいがボーダーなのか考えてみましょう。

相手とのめくり合いの勝率は50%ずつと仮定しましょう、もちろん流局もありますが、一旦無視します。

あくまでリーチした時と、3倍リーチにした時の差を考慮しているので、相手のアガリ枚数は考えません。どちらを選択しても変わらないことなので。
増やせる分のチップ(自分のアガリ枚数×2)の期待値が、リスクである20枚に対して見合うのであれば3倍リーチが得になります。

アガった時に10枚貰えるハンドを想定しましょう。
ロンアガリなら、10×2で20枚増やせました。
ツモアガリなら、10×2×2で40枚増えています。

自分がアガる50%のうちツモとロンの内訳はどうでしょうか。
アガリ牌がどちらのツモ筋にいるかなので、
大体50%ずっと考えて良さそうです。オナテンでツモられる(ロンできない)可能性もあるので、若干ツモの方がアガリに占める割合は高いでしょうが、誤差でしょう。

つまりアガった時は、50%で20枚増え、もう50%で40枚増えます。
期待値としては30枚増えます。
つまり全体で考えると、50%で20枚失い、50%で30枚増やせています。
期待値的にはノーマル立直に比べて5枚増えています。
しかし実際には差し込まれたり、他家がアガることなど減点要素が多くあるので、自分の待ちが絶対的な自信のある3面チャンとかならめくり合いの確率が良くなってこれくらいの枚数でも見合うかなと思います。

次に相手が先制シュバを打っている場合です。追いついたあなたはどれくらいのハンドで3倍シュバ追っかけ出来るでしょうか?

単純に先ほどのを倍にしてみましょう、20枚が見込めるハンドで3倍追っかけ
50%で-40枚
50%で+60枚

全体の期待値で+10でした。
まあ、これなら成立するでしょうね、先程に比べて、相手もシュバなので差込もほぼ無いですしこれくらいのハンドなら3倍追っかけでも良さそうです。

やはり先制シュバがいるというのは3倍追っかけからすると辛いですね、先制がシュバということで、良形率が上がっています。
それに対して勝率五分五分を主張するには最低リャンメンが必要になりそうです。
20枚が見込める時点で相当プレミアハンドなのに良形まで求められるので、後手を踏むと苦しいです。
バケモノみたいな抜き牌の人がいたら牽制として、自分の手が大したことなくてもシュバを打つというブラフシュバという戦略も出るかもしれません。

もちろん超本手の四華四北クラスは下ろせませんが、3倍レンジの中で下の、愚形冬冬などをノーマルシュバに留めさせる効果はありそうです。


自分が先制3倍シュバを打つ場合はどうでしょうか?
1段目に先制を取れたなら結構なレンジで打てそうですね、良形の6,7枚くらいをボーダーと見てもいいかもしれません。三面チャン以上だったらオープンはほぼすべきでしょうね、打たれ負けが損すぎます。オープンなら5枚くらいのハンドでも、15枚オールに出来ます。
ただ、1つ判断材料として重要なのが他家にシュバ棒が残っているかどうかです。追っかけシュバのカウンターを食らうと、今言ったようなハンドは先ほど話した、シュバとのめくり合いのボーダーを満たしていないので、期待値マイナスになるかもしれません。そこだけ気をつけましょう。

最後に先制3倍シュバがいる場合です。
相手がオープンしていなくて自分が良形であれば迷わず追いかけ立直でいいと思います。
さっき言ったように三面チャン以上なら相手はほぼオープンしているはずです。なのにしていないので、最高でもリャンメンでめくり合いの分は良さそうだと想定できます。20枚取りに行って間違いではなさそうです。
あとはシュバにするかどうかです。そもそも自分のハンドに枚数が豊富な時にはもちろん、自分の方が待ちが明らかに強そうな時はシュバにして40枚取るのもありです。
先ほど良形の6,7枚でも3倍シュバのボーダーと考えれると書きましたが、このカウンターがあるため結局はその程度のハンドでは打てません。逆に後手側はある程度シュバ追っかけでディフェンスするレンジを持つことが大事です。
ここまで来るとマジでポーカーに近い。

3倍追っかけはややしづらいですね、シュバに留めておけば相手の方にだけ40枚のリスクを突きつけられたのに、60枚の取り合いになるので余程の待ちの良さかハンドのサイズがないとあり得ないアクションかと思います。

今回は以上ですが、今回触れていない難しいシチュエーションがあります。それは今回いないものとして扱っていた3人目が参加してくるパターンです。その人がリーチ、シュバ、3倍シュバのどれを選択するかで曲面は一変します。
そういったマルチウェイまで考え始めるといよいよ大変なのですが、次回それらも考慮してお伝えしようと思います。


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