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リスク分析(FMEA)自体が、リスク!; 航海日誌 No8

 記; QC星人
航海日誌; 西暦2022年03月18日
投稿 No8)FMEAが、リスクになる時
 
前回の謎々分析=プレゼン資料よりFMEAが頭に浮かんだ。ナゼナゼ分析は、主に不具合発生後の調査に活用されるが、FMEAは不具合の未然防止手法なので、品質確保には、更に重要である。
欧州二天一流 / ISO9001&IATF16949の弐之巻でも話題にしたAIAG&VDA版FMEAとは、事前に消費者含め顧客に与えるリスクなどを評価し、対策を取った後に、製品を量産化する方法である。不具合の再発防止=ナゼナゼ分析と、FMEA=未然防止で、主な活用時期は異なるも、分析の流れに整合性があっての不具合防止なのは共通。
そんなFMEAは、ナゼナゼ分析が1つの不具合への分析に対して、複数の不具合抽出を伴う分析であり、膨大の工数を必要とする。限られた工数で、真の目的まで考えを掘り下げる時間が少ないような噂も聞く。
 
FMEAが、本来の不具合防止や、業務への活動時間を減らす要因となっては、まさに食えない画餅。
― リスク軽減手法のFMEA自体がリスクになる ―
 
とは言え、FMEA Hand Bookを発行されている方々も、そこは充分に解っている模様。Hand Bookが単なる手法に留まらず、本の冒頭付近には、“上層経営陣のコミットメント”と言う項目がある。プロセスオーナのFMEAへの積極的な参加と、上層経営陣からのコミットメントが重要であり、FMEA実施に関わるリソース確保やFMEAへの責任は、経営陣が責任を負うと明記されている。
 
品質確保の話題は、常にマネジメントに帰結するようだ。
大きな不具合や不祥事で会社が傾く報道もある。品質マネジメントに関わる書物は、“損して得取れ”との警笛だろう。だが日本には、もう1つの言葉が昔からある。“縁起(不吉)の悪いことを言うものじゃない”FMEAとは典型的な不吉の事前抽出手法である。日本の文化、風習には、FMEAは根付かないのかもしれない。
プレゼンとして、個人だけが食える画餅FMEAとした方が、マネジメントサイドとなり、日本製品の品質を、負のスパイラルへと堕としていないことを、切に願う。

補足; 投稿を始めて4か月、この間だけでも産地偽装に、トラックメーカでの排ガス、燃費偽装の発覚。後者では、どんなFMEAをされ、どんなマネジメントがされた事やら。。

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