出会った時が貴方の新譜w vol.1 Bruce Hornsby"Rehab Reunion"

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どのくらいの音楽やバンドが時代の風化に耐えるのか?

どのくらいの音楽や懐古趣味に堕することなく響き続けるのか?

考えたりすることありませんか?

ビートルズとかニール・ヤングとか、ディランとか、時代の風化に耐えるのが誰の目にも明らかなものもあります。

一方で、こんな気骨があったのか…と驚かされるものもあります。

日本でいえば人間椅子とかJITTERIN'JINNとか、一発屋だろうと思っていたバンドが長い年月を経て、キャリアも含めて良い塩梅に響くものもあったりします。

案外このような予想外のアーティストが、一層愛おしく思えたりもするものです。

そんな一発屋エピソードでばかり紹介されるのが、このB・ホーンスビーですw

こんなこと言ってますが、私もつい数年前まで一発屋くらいにしか思っていませんでした。それが大ヒットを飛ばした後、紆余曲折を経ながら(予想外にも)Greatful Deadに参加し、今ではデッドファンもライヴに足繁く通っているなどの評判を聞いて、ずぶずぶとw

斬新さだの時代を変えるだの、革新性と言ったものは余り感じられません。とはいえ、様々なジャンルの音を吸収していく気骨さは備えています。

シンプルに「いい音楽」であろうとする姿勢が 潔くて心地よいです。

弾けるピアノやうねるベース。パッキパキのドラム。ザッパばりにダサいエレピやパッキパキのホーン。音が好きな人たちが演奏しているのがよく分かります。

個人的にはリトルフィートとダブるところがあります。グルーヴを大事にしながらもメロディは当然の如く一級品。

どこにも属さないが故に孤高であり唯一無二の存在。とはいえ決して敷居が高いわけではなくポップミュージックであることを忘れない。

素晴らしいスタンスです。

Rehab Reunionは2016年の作品。

砂漠の山なのかと思っていたジャケットだけど、どうやら何かのストリングスのようです。不思議ですが、どこかエレガントさが漂う感じがアルバムの内容そのものです。

この作品で驚くのは、ゲストにジャスティン・バーノン(Bon Iver)やメイヴィス・ステイプルが参加していることでしょうか?

この目利きの良さがBruceへの信頼につながります。この後のアルバムでもy-musicと共演したり、シーンへの目配りが感じられます。

今や時代を引っ張る新旧アーティストが参加しているあたり、やはりホーンスビーが只者ではない証左と言えるのではないでしょうか?

ホーンズビーの魅力を知りたければライヴ盤「Bride of the Noisemakers」と「Here Comes The Noisemakers」の二枚からと言ってもいいですが、このスタジオ盤もなかなかどうして素晴らしい出来栄えです。

エレガントかつ後半に向かうに連れて徐々に盛り上がっていく構成も素晴らしく、聞くたびに発見があります。

日本のメディアでは扱われることがほぼ皆無ですが、先入観をのけて、一度聞いてみてはいかがでしょうか?

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