デイ・ドリーミング

二幕六場 とあるマンションの一室



私にとってあなたは絶対的な存在だった。

私に弱いところを見せてくれるのが、私に甘えてくれるのがどうしてもどうしても嬉しくて、それに全力で応えたかった。

あなたに名前を呼ばれると、私に不似合いなこの美しい名前がたまらなく好きになるの。

それなのに。幸せにするって言ったのに。

どうして勝手に私のことを置いて行くの?

私はこんなにあなたのこと好きなのに、どうせ私のことなんか忘れるんだ。

あの子じゃなくて私を見てよ。

目を逸らさないで。

あなたが私の全てだった。

あの人が救急車で運ばれて行く。

私はただ、付き添うことしかできなかった。

その後はよく覚えていない。




本公演にお越しくださった皆様へ。
ご来場、誠にありがとうございました。

座組の皆へ。
私の夢を叶えてくれてありがとう。

まさか文章を書くことにちょっとしたトラウマのある私が、こうして脚本を書くなんて思いもよらないことでした。トラウマ?大げさかもしれない。

あれは小学六年生、まもなく卒業という時期に、小学校で頑張ったことをテーマに作文を書いたとき。
確か音楽会でアコーディオンを頑張って弾いたようなことを書いた気がします。
そんな内容をうきうきで書いて先生に見せに行くと、先生はしばらく苦い顔をした後、

あなたの文章って回りくどいんだよね。

と言われました。
確かにそうかもしれません。この文章だって本当は誰かに向けて話しているのに、それをぐちゃぐちゃごちゃごちゃにして、わざと分かりづらいようにしているのですから。
その先生と、文章を書くことがちょっぴり嫌いになりました。

苦手だった文章を書くことになってでも、このデイ・ドリーミングを創り上げたのは、少しでも、一秒たりとも長く人の記憶に残っていたいと思ってしまった、私の精一杯の悪あがきかもしれません。

公演が終わり一ヶ月が経とうとしていますが、まだ悪あがきをしたい気分です。

愛と夢のお話でした。これだけで人はどこまでも狂っていける。



ちいかわ、吸いてぇ〜〜〜。

23 作演出/役者エキストラ/web/宣美 今回はラストを飾りましたちいかわ信者です

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