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僕の巡査。(ネタバレあり)

 アマゾンオリジナルで、これがお勧めに出てきたのは初めてです。男男女の40年にわたる三角関係、とか書いてあったんですけど要するに雰囲気からしてゲイドラマってことかなあ?…とか思って。
 昨日初めてお勧めにでてきたんですけど、この映画は去年の秋ごろのドラマみたいでした。なぜに今頃?

 とりあえず、見ました。ああ~。見ましたよ。

 もう……主人公?の女の人に救いが全くありません。要約すると、ゲイの隠れ蓑にされた妻の話です。これが、「ゲイたちが可哀そう」の映画と見るにはちょっときついです。

 巡査役のハリー・スタイルズがハンサムです(笑)さすがわ元アイドル。ワンダイレクションですよね。
 相手役の美術館員のデビッド・ドーソンって人は、BBCとかのテレビドラマでちょくちょく見かけるような気がするんですけど…、「なんだかイヤな感じのインテリ」っぽい顔の人です。
 そもそも、この「イヤな感じ」のせいで、ゲイたちが全然可哀そうに見えない…。

 舞台が1960年代で、イギリスでゲイが犯罪とされた時代の話です。実はハリーさんとデビッドさんは世間にビクビクしながら付き合ってるんですが、そこにうまい具合に、ハリーに思いを寄せる女の子が現れたので、「普通の常識的な」ハリーさんはその女の子と結婚します。
 かといって、デビッドさんとの付き合いは続けるわけなので、やがて妻はその関係に気が付く、って話です。

 最後は、別に本人たちが望んでもないのに、妻が無理やり二人をくっつけて去る、ってなってました。なんじゃそりゃ?誰得?って感じの終わり方です。

 まあ…つまんないってほどつまんなくはないけど。(ハリー・スタイルズがハンサムだったし)どうだかな。って感じの映画です。

 なんとなく「ブロークバックマウンテン」とか思い出させる展開でした。話のとても早い段階で、妻は二人の関係を目撃するんです。
「ブロークバック」の場合は、結局男同士の関係を断ち切れない夫に妻は三下り半を叩きつけるし、その夫である主人公は、最終的に家族に捨てられて、かといって恋人との関係も中途半端で、最後はその恋人にも愛想をつかされてしまう話でしたけど。

 だからこそ最後は、自分の生き方と直面する、とかそういう話だったと思うんですけど…そこらへんの厳しさとかリアリティがこの映画にはないっていうか。

 そもそもこの巡査さんと美術館員さんの間にそれほどまでの深い愛があったかどうかもちょい怪しいとこです。精神的なつながりとかそういう描写はほとんどありませんし。そんな人に老人介護ができるんかいな?(40年後に美術館員さんは脳卒中になるんです)

 以前になんとか水脈って人が、同性愛っぽい人でも異性と結婚してるし、今はうまくやってる、とか言ってましたけど、いやそれ、本人たちに聞いてみたんかいな?って思います。
 同性愛を隠されて結婚した相手の、男性なり女性なりもあんまり幸せじゃないし、結婚した同性愛者もさして幸せでもないような気がします。(まあ、結婚において恋愛要素だけが幸せってわけでもないでしょうけども)

 近頃でいうと、りゅうちぇるとか「本当は男性が好きでした」とか言って炎上してるそうですが、非難する人たちが「それだったら結婚すんな!」とか言うんだったら、結局のところこの人たちの「結婚の権利」とかどうするってんですかね?
 以前は私も、別に同性婚なんてど~だっていいと思ってましたけど、それを禁止してるってことは、色んな人の権利を奪うし、幸せも奪うことなんじゃないかな~とか思いました。

 ま、そんなこんなで、なんだか、ちょっとモヤっとする映画でした。これもゲイの啓蒙映画なんだろうか?(笑)

 

 

 

 


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