月ミるなレポート㉚

こんにちは、世界です
ことしの夏は…ありません

星の消滅と命と生きる糧

この世の無駄を考えたら
生まれ消えゆく命だろ、と。

月ミるなはもしかすると
存在するかもしれない

腹の底から望んでなければ

月ミるなは生きられないし
ヒトも生きられない

死んでしまう、死んでしまう
僕たちは死んでしまう

たくさんのヒトが死んだから
月ミるなが創られる必要があった

回転する化粧ポーチ

洗たく機に触れた瞬間
月ミるなはすべてを思い出した

月ミるなの身と心は引き裂かれた

絶望的なまなざしで
こちらを見つめ

瀕死状態にもかかわらず
動き回っていた

月ミるなは部屋に散らかった人間を
片付け始めた

月ミるなは人間の男性に
恋をしてはいけない

恋をするとその力が弱まり
人間になってしまう

なにかの気配を感じて振り向くと
鏡だった

”良い月ミるな”と”悪い月ミるな”を
どうやって見分ければいいのか?

うまくやればやるほど
月ミるなの罪が立証された

月ミるなの容姿は
子供と相違ないが成体らしい

月ミるなはただの役にすぎない

何度もめぐりあい
何度も同じ月ミるなを演じる

月ミるなは魔法に頼ることなく
生き方そのものを夢のようにして
人々の希望となった

月ミるなは終わってない
終わったように見えたのは

僕が月ミるなから
逃げ出しただけだから