19/06/26 少年のリフレッシュ休暇

ここ最近、親しい小学生Aが学校を休みたいとボヤいている。同じクラスのジャイアン的存在の男の子Kが、服を引っ張ったり鉛筆を刺してきたりと悪さしてくるのだ。
ジャイアンKの素行は学校でも周知されており、高学年の子や先生が目にかけてくれていたのだが、最近は人目のないところでやられるらしい。Aだって抵抗はするのだが先生や相手の子にうまく言葉で説明することはまだ難しく、ストレスが溜まっているようだ。
私自身もこの問題の良い解決法については去年から頭を悩ませていたのだが、とにかくAの気持ちを重く受け止めることにした。

朝、Aを迎えにくる6人の子ども達(7歳〜13歳)のもとへ、Aと共に行き、Aが休む理由を話した。みんな一同に納得したようで、ヤジを飛ばす子はいない。
しばらく子ども達と一緒に歩きながら、ジャイアンKの素行について聞き出す。「Aの手のひらに鉛筆刺してたよ!」と1年生の女の子が言う。みんな口々に語り出す。
何かあったらAの力になってあげて欲しいとお願いし、曲がり道でバイバイした。こういう時、13歳の男の子は本当に頼もしい。ロジカルに色々なアイディアを出してくれる。
Aは学校を休めたコトと、みんなにうまく説明してもらったことで心がスッキリしたようだ。

幼稚園のころ、園に行くのが嫌で嫌でズル休みを許された時、母は怒っていたが父はいつも「リフレッシュ休暇やな!」と言って笑った。高3の夏、数学のテストで0点をとったときも、父にだけこっそり告げると笑い飛ばしてくれた。
父のことはずっと好きではなかったが、そういうところには救われていた気がするし、自分もそうでありたいと感じていたことをふと思い出す。
自分がAにしてあげたいと思っていることのほとんどは親から受け継がれたもので、それはAに出逢う以前からずっと胸の中で眠っていたのかもしれない。目には見えないトリガーが引かれるたび、思い出と共にそれらがひとつずつ目を覚ましてゆく。懐かしい優しさを伴って。