19/08/29 秘密の共有

伊集院光のエッセイを読んでいると母の訃報を聞いた瞬間を思い出す。
それを思い出すのは、その瞬間を忘れたくない意思が私にあるからだ。
一生で一度のその瞬間は穏やかだった。
どうして私はそのことを宝物のように感じているのだろう。

今日は職場の嫌いな人(M)が当日欠勤し、一緒になった人(Kさん)は明日を最後に退職する人だった。
KさんにMへの不満を話したのは、思わぬMの欠勤が嬉しかったからで、Kさんに会うのは明日が最後だからだ。
私の愚痴を聞いたKさんは自身の内緒話をしてくれた。

これまでずっと、隠しごとは不健全だと思って生きてきた。他人に言えないことはするもんじゃないんだと、口をへの字に結んで。
けれど今日、二人の間で密かに行った秘密の共有は、私の気分を軽くし、互いの関係性をほんの少し親密にした。
その発端が愚痴なのであれば、それも必要で重要なことなんだなと感心した。
これは未来を豊かにする大発見である!