19/07/31 嘘つき二人

スマホを見つめてぼんやりと思う。
生き急ぐか、のんびり進むか、私はどちらが良いのだろう。

ライブは出来ないし、仕事は減ったし、足は動かなくなったので、時間だけはあるわけだ。
もともと読書が好きではないので読みかけの本を読むでもなく無意味にスマホの画面を見つめて時間を過ごしている。明日のことも明後日のこともすっ飛ばして、来週の旅行だけを楽しみにしているのだ。(この足で行けるか分からんが)
それは「生き急いでいる」状態ではないだろうかと、ぼんやり思う。
今日という日を耐えるように過ごし、明日という日をオマケのように思い、無感覚に時の流れに身を委ね、スペシャルな予定だけを楽しみに生きている。平和ボケだ。私が常々嫌っている人々と大差ないではないか。
だけど、何かをやろうと思うことも苦痛でしかない。バンドのことも色々と考えなきゃいけないけど、もうこれ以上一人ではやりたくない。それが私の単なるわがままなのかどうかはちょっと分からない。

これを書いている時、家人から100円ショップの杖の写真が送られてきた。捻挫して動けない私のためにとのことだ。その想いが嬉しくて発想が可愛くて、ちょっと笑って泣けた。
こういう日々を大切にしたいはずなのにな。

でも不安事があるとAにはキツイ口調になってしまうし、家人の優柔不断な発言にも嫌気が募って冷たい態度をとってしまう。
ここのところずっとそういう日々が続いている。やりたいことも、やらなきゃいけないこともたくさんあるのに何もせず、耐えるだけの毎日が続いていることがストレスなのだ。
家庭のことだけでなくバンドのことにもストレスを感じているが、どうやら私だけが一人生き急いでいるようだ。
「良いじゃないの。のんびりいこうよ」なんて一度でも思ったら、再起できない気がして震える。3年くらいずっと私がバンドの舵取りをしてきたから。
その間にも嘘は募るばかりだったし、もう誰の言葉も信じられないのだ。
だからきっと家人のことも労ってあげられないのだ。嘘が募って、信じられないから。
私だって嘘つきのはずなのに。