19/12/10 友だちに種類はあるのか

某大手レーベルのYさんとご飯を食べに行った。 この方とのご縁はも7年ほど前だが、不思議な成り行きで今日に至っている。

Yさんは、世間の女性の多くが理想として思い描くであろう「大人の男性」を可視化したような人で、何も言わずに素敵なお店を探して予約し、私の様子を見てハキハキとオーダーしてくれる。こんなにもスマートに振る舞う男性を、私はYさん以外に知らない。私は彼よりだいぶ歳下だが、一緒に食事に行くととても気分を良くしてくれる。適度な緊張感と、相手に気を遣わせない彼の心持ちが、心地良いのだ。下戸だが御厚意を受け止めたくてワインを2杯飲んだ。どちらかというと酒の場は嫌いだが、Yさんは酒を飲んでも全然変わらない。以前、私は外国に住んでおり、東京へ一時帰国した時には、会社の社長室に招いていただき、その部屋のスピーカーで当時製作したばかりの音源を聴いてくれた。(その時に彼の役職を初めて知った)年齢や、属する社会的階層などを考えると不釣り合いな関係だが、私は彼を友人だと思っていて、この関係を気に入っている。

Yさんと食事した帰り道、気分が良くてもう少し誰かと話していたくなり旧友に電話をかけた。旧友との間には、気を遣いすぎることもなくタメ口で話せる別の心地よさがあった。
思えば、大人になってから得た友に、学生時代のように失礼無礼を冗談にして笑い合える者はいない。出身も年齢も環境も自分とは全く異なる人ばかりだから、互いの距離を保ちあうことが礼儀なのだと思う。
若いころの友が特別なのは、大人になってからではその関係を築けないからだ。バカなうちに仲良くなった相手はどこまでいっても互いに少しバカでいられる。