19/09/17 時すでに遅し

幼馴染という二人の会話を聞いていた。
今時の大学生は男の子もスキンケアして、女の子と化粧水について語り合うらしい。内容なんかどうでも良くて、気分とテンションだけで喋っている様を、羨ましいと思った。  

彼らと同じ年頃だったころ、私はそういった軽いノリを毛嫌いして度々人間関係を清算した。
SNSの繋がりを切り、相手の連絡先を消し、自分の連絡先を変えた。おかげで現在私が連絡を取れる古い知人は、ごく僅か。
同窓会なんて絶対に行きたくなかったのに、今では行ってみたいと思う始末。バカなことをしたなぁと思うけど、当時は、年上のバンドメンバーに追いつきたかった。子どものように扱われて可愛がってもらったぶん、理不尽なことも多かった。
今なら分かる。
相手も大人になりきれていなかったのだと。
それを自分の幼さ故だと思っていた。  

幼馴染というのは貴重だ。
友達はいくらでも新たに作れるけど、幼馴染は二度と作れない。そこに価値があるとは思っていなかった。
33歳になってようやくそう思えたのだから良かった。