深謝

昨日から月1の千葉遠征だった。夜更けに到着し、空いた当直室で眠る。これが私の常宿である。静かで空調もあり、シャワーブースが付いている。洗面台もある。後はベッドと床頭台のみ。simple is best。最高の空間である。

思えば平成17年の就職から15年が経過した。非常勤になって5年。今日は新生児期から診ている子どもたちの何人かが当科を卒業した。高校に合格し、来月以降は同じ医療機関の内科その他に紹介する予定である。内科でも例えば60歳から75歳まで診ることは普通にあるだろう。けれどそれは、2kg足らずだった子どもが体重50kgの青年になる15年と比べると、変化はもう少し穏やかなのではないだろうか。保育園=初めての集団生活を知り、喘息で入院したり通院し。家族内の様々な歴史があり。小学校、中学校と進級。部活があり、あるいは何らかの小さな挫折もあり。淡い憧れや恋などもあったかもしれない。そして受験を超え、今がある。こういう長いspanで1人1人の人生に関わらせて貰えたことに、ただただ感謝しかない。

ご卒業おめでとうございます。そして、今までの時間を共有させていただき、有難うございます。はなむけの言葉は、「さらに大きくはばたけ」かもしれない。心の中で呟きながら、彼らの歴史を要約し、次の主治医宛に紹介状を作成する。この時間こそが、自分にとって最も醍醐味ある時間の1つかもしれない。多謝。それよりやはり、深謝。この言葉が一番ふさわしい。

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