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BigQueryマテリアライズドビューの超入門:増分更新への効率的な解決策

マテビュー = 自動増分更新テーブル

データドリブンな意思決定のためには、データウェアハウスやデータレイクを最新の情報で更新しておくことが不可欠です。新しいデータや更新されたデータを既存のテーブルに統合するプロセスである増分更新は、この目的に欠かせないものです。しかし、従来のアプローチでは、複雑なステージングエリアやデータパイプラインが必要で、オーバーヘッドと複雑さが増します。
この記事では、BigQueryのマテリアライズドビューという強力な機能を紹介し、増分更新を簡素化します。マテリアライズドビューがテーブルとビューの長所を組み合わせて、効率的な解決策を提供する方法を探ります。

従来の増分更新:ステージングエリアとデータパイプラインのダンス

  • ステージングエリア: 新しく変更されたデータをメインテーブルにロードする前に保持する一時的な保存場所、通常は別のテーブルです。

  • データパイプライン:データをそのデータ源から取得し、必要に応じて変換した後、ステージングエリアにロードし、最終的にメインテーブルにロードするプロセスです。

効果的ではあるものの、このアプローチは煩雑です。ステージングエリアとデータパイプラインの管理と維持は、複雑でリソースを大量に消費します。

マテリアライズドビュー:ハイブリッドアプローチ

BigQueryのマテリアライズドビューは両方の世界の良いところを組み合わせます:

  • テーブルのような保存:テーブルと同様に、マテリアライズドビューは定義されたクエリの結果として得られる実際のデータを保存します。よって、キャッシュでロードすることが可能で、あなたのコストを削減することができます!

  • ビューのような更新: ビューと同様に、マテリアライズドビューは基礎となるベーステーブルの変更を反映します。BigQueryは自動的にマテリアライズドビューを更新して、最新の結果が表示されるようにします。よって、ほぼリアルタイムで最新データを取得することができます!

    • 自己維持機能:この自動更新機能は重要な差別化要因です。BigQueryはベーステーブルとマテリアライズドビューを同期するプロセスを処理します。

https://cloud.google.com/bigquery/docs/materialized-views-intro?hl=ja#comparison

BigQueryマテリアライズドビュー:プロセスの効率化


BigQueryのマテリアライズドビューは、別のステージングエリアや複雑なデータパイプラインが不要になることで、増分更新に革命をもたらします。その仕組みは以下の通りです:

  • ステージングエリア不要: BigQueryのマテリアライズドビューは、定義されたクエリから得られる事前計算データを保存します。これにより、別のステージングエリアが不要になります。

  • マテリアライズドビューをELTパイプラインとして: マテリアライズドビューの定義内でSQLを使用してデータの変換とロードのロジックを定義します。これにより、BigQuery自体内でELT(抽出、ロード、変換)プロセスが実質的に作成されます。

  • マテリアライズドビューの更新: マテリアライズドビューを更新すると、ビューのキャッシュされた結果が更新され、ベーステーブルの現在の状態が反映されます。可能な限り、BigQuery は前回の更新以降の変更のみを読み取ります。マテリアライズドビューの更新時には最近ストリーミングされたデータが含まれない場合がありますが、クエリはマテリアライズドビューが使用されているかどうかに関わらず常にストリーミングデータを読み取ります。デフォルトでは、マテリアライズドビューはベーステーブルが変更されてから 5 分以内に自動的に更新されますが、30 分間隔よりも頻繁には更新されません。変更の例としては、行の挿入や削除が挙げられます。

  • 鮮度とコストのバランスのための Max_Staleness: max_staleness オプションを使用すると、マテリアライズドビューに反映されるデータとソースデータとの間の許容可能な遅延を指定できます。BigQuery はビューを定期的に自動更新し、このしきい値内にとどまるようにします。これにより、更新頻度を制御でき、データの鮮度とコスト効率のバランスが取れます。鮮度の要件が厳しいデータの場合、より頻繁な更新が必要となり、コストが高くなる可能性があります。

BigQueryマテリアライズドビューのメリット

BigQueryのマテリアライズドビューを活用することで、いくつかの利点を享受できます:

  • アーキテクチャの単純化: 別のステージングエリアや複雑なデータパイプラインを管理する必要がなく、よりシンプルなアーキテクチャになります。

  • オーバーヘッドの削減: 維持するインフラが少なくなるため、運用コストが低減され、効率が向上します。

  • 制御されたデータの鮮度: max_staleness 機能を使用すると、特定のユースケースでコストと最新の情報との間の許容可能な遅延を定義でき、データの鮮度とコスト効率性のバランスを最適化できます。

結論

BigQueryのマテリアライズドビューは、データウェアハウスまたはデータレイクでのインクリメンタルロードに対して強力で効率的な解決策を提供します。別のステージングエリアや複雑なデータパイプラインが不要になることで、プロセスを簡素化し、運用のオーバーヘッドを削減します。BigQueryのマテリアライズドビューを使用すると、複雑なデータパイプラインの管理に時間を費やすことなく、データの分析に集中し、貴重な洞察を引き出すことができます。


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