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化学・バイオ工学科での学び

高校生のみなさん、こんにちは。工学研究科 化学工学専攻の斉藤です。私は、大学の学部4年間を工学部の化学・バイオ工学科(通称:化バイ)で過ごし、その後、東北大学大学院の工学研究科 化学工学専攻に進学しました。

今回は、化バイではどんなことを、どんな風に学ぶのか?という点について、より詳しくお話ししてゆきたいと思います。

では、早速見てみましょう!

1年次:基礎固め+大学の仕組みに慣れよう

晴れて大学に合格すると、入学式やオリエンテーションなどの案内が皆さんに届くと思います。オリエンテーションでは、大学の授業の受け方についての説明があります。というのも、大学の授業システムは、高校までのシステムとは大きく異なるからです。これは、化バイ以外の学部・学科も共通です。

大学の時間割は、ある程度までは自分で組み立てることができます。例えば、実施時間帯や内容が異なる授業A、B、Cがあり、「授業A、B、Cの中から2つ以上選んでください」というような条件が課せられます。この条件を満たす限りは、自分の好きなように授業を選ぶことができます。

化バイでは、1年次は川内キャンパスで化学、数学、物理などの基礎的な理系科目のほか、英語、社会学や文学などの文系科目を学びます。また、後期には自然科学総合実験と呼ばれる、自分で実験をしてレポートを作成する科目があります。

2年次:専門科目が本格的に始まります

2年生になると、専門科目と呼ばれる、化バイの人だけが受講する講義が本格的に始まります(ただし、時々化バイ以外の人もいることもあります。特別に申請すれば、自分が所属している学科・学部以外の専門科目を受けることができます)。専門科目は青葉山キャンパスで実施されることが多いです。

専門科目の講義をご担当される先生方は、今後も研究室などでお世話になります。先生のご研究内容や研究室の雰囲気についても注目してみましょう。

なお、部活・サークル活動、アルバイトなどは学部1~2年の間に集中的に取り組む人が多い印象です。大学生の間しかできないこともありますので、充分楽しみましょう。

3年次:自力で研究を進めるための準備をします

実際の研究では、自分で仮説を立て、実験・観察を行い、結果を考察する必要があります。これら一連の流れを練習する機会として、3年次に化学・バイオ工学実験(通称:学生実験)と呼ばれる授業があります。これは、学生が何人かのグループに分かれ、教員や大学院生の指導の下、自分たちで実験を行いレポートを書く授業です。1年次の自然科学総合実験よりも、化バイの研究に特化し、内容も高度です。

通常の授業とは異なり、実験結果の考察には単純な「正解」があるわけではありません。また、理論とは異なる結果が観測されることもあります。常に、新しい現象に対する好奇心を持ち続けることが大切です。

また、化学・バイオ工学研修(通称:3年研修)と呼ばれる、学術誌に掲載されている英語の論文を読み、内容を自分の言葉でプレゼンテーションする授業もあります。この研修は研究室への仮配属のような形となっており、研究室の先生や先輩方と相談しながら論文を理解し、プレゼンテーション資料を作成します。論文の調べ方・読み方を学ぶと同時に、研究室の雰囲気を知ることができます。

4年次:卒業研究と進路決定

化バイでは、3年次の終わりに正式な研究室配属があります。配属された研究室で、1年間研究を行い、成果を卒業論文にまとめます。

また、遅くとも4年次の夏ごろまでには、進路選択をする必要があります。進路について、主な選択肢は次の4つです。

① 東北大の大学院に進学し、同じ研究室で研究を続ける。
② 東北大の大学院に進学するが、研究室は変える。
③ 他の大学の大学院に進学する。
④ 就職する。

最も多いのが①のパターンです。この場合、配属された研究室にそのまま所属し、卒業研究をさらに発展させた研究を行います。②は、どうしても他の研究室で取り組みたい研究がある場合です。各研究室で学生を受け入れる枠には限りがあるため、必ず移れるわけではありませんが、このような選択肢もあります。

①と②の場合、東北大学の院試(大学院に進学するための入学試験)を受ける必要があります。一般選抜の場合は8月末に試験があるため、4年次の6~8月は院試に向けた受験勉強に集中して取り組む学生が多いです。研究室によっては、院試勉強のためこの期間の研究は一時的に休み(院試休みといいます)としているところもあります。

③は外部進学と呼ばれます。この場合は、進学先の大学院の院試を受ける必要があります。また、受け入れ先の研究室の都合もあるため、自分自身で充分な情報収集をする必要があります。

④のように、学部で就職する選択肢もあります。この場合、早い人では卒業年次の前年の夏(つまり、3年次の夏)から就職活動を始めるケースもあります。就職を視野に入れている場合は、早めに動き出すのがよさそうです。

なお、進路選択に関して悩みがある場合は、研究室の教員やキャリア支援センターなど、信頼できる人・機関に相談することも大切です。以下のキャリア支援センターでは、進学か就職か、といった悩み相談や、就職面接の練習などをすることができます。

まとめ:見通しをもって学生生活を送ろう

以上、化バイでの4年間についてざっくりとご紹介しました。いま改めて自身の学部4年間を振り返ると、長いようで実は短く、あっという間だったなと思います。また、私は学部卒業後に大学院に進学しましたが、進路については人生設計に大きく影響するため、早いうちからしっかりと考えておく必要があると思います。

この記事が、皆さんの進路選択や学生生活の参考になることを願っています!


☆サムネイル画像:学科紹介パンフレット(以下のリンクからダウンロードできます)


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