ポートピア連続殺人事件の技術デモについてつらつら書くところ
評判
現時点でSteamの評価は「非常に不評」だった。
先日「自然言語処理でニュアンスの違いを汲み取ってくれる感じのものになるんだと思う」と予想したが、実際のゲーム内容はまさしくその通りのものだったのに反して、レビューは「ヤスが意図を汲み取ってくれなくて一向に捜査が進まない」といった意見が大半を占めていた。
反論
違うんだ、違うんだよ。
「用意された選択肢とだいたい同じ事を言っていれば命令を実行できる」ようになっただけで「ヤスに命令すれば意のままに動かせる」ようになったんじゃないんだよ。
だからヤスに凶器の指紋を確認したり詳しい死亡状況を聞いても返ってこなくて正しいんだよ。
確かに必要そうな情報だけど、ポートピア連続殺人事件においては必要なくて、用意されてない情報なんだから。
そこを勘違いしている人がただただ多くて「非常に不評」だけど、実際に遊べば普通にアドベンチャーゲームなのよ。
まぁ、勝手に推測して言ってるだけなのでほんとにそうかは知らないけど。
多分そうだと思うよ、多分ね。
感想
問題なく遊べる
前評判こそ「何も言うことを聞いてくれない」というアドベンチャーゲームとして致命的なものだったが、実際に遊んでみれば全然そんなことはなかった。
捜査(操作)できるようになって最初に表示されているキャラクターリストの上から順に「耕造/文江/小宮について教えろ」と登場人物について聞き出していき、その後も上から「山川の屋敷に向かえ」と場所を移動していけば謎にぶち当たるまではすんなり進めることができた。
要するに、普通のアドベンチャーゲームとして遊べば普通に遊べた。
あまりに普通のアドベンチャーゲームなので特筆する事がないくらい。
でも
でも、「怪しい男がいた」という情報を手に入れた後「男を探せ」と命令しても実行してくれないし、うっかり怪しい男を逃してしまって「男を追いかけろ」と命令しても実行してくれない。そういうパターンはないので。
選択肢が提示されていないので当たり前だが、それに気付かずありもしない選択肢を試してしまうあたり、「素直に選択肢が用意されてた方が楽だな…」と思ったりもした。
ゲーム的に用意されていないることがわかるのとわからないのとでは、怒りの度合いに違いが生じる。
また、ヤスが聞いてくれる命令の種類も手探りなので、原作を知っている人と知らない人でプレイ体験に大きく差が出ると思う。
技術デモなのとは別に、「単純に1つのゲームとして見るとこの現代人が遊ぶには厳しいものがあるな」と感じた。
40年前のゲームなんだから当たり前だとは思うけど。
総括
「自然言語理解で命令の完全一致を緩和したコマンド入力式アドベンチャーゲームのデモ」としては文句なしの出来だと思う。
ただ、それ以上に「アドベンチャーゲームの文法に則っている事を理解していない/無視しているユーザーが多い」「漠然とAIに万能性を求めすぎている」等、ユーザーとの認識が著しくズレているせいで「非常に不評」なのだと思う。
確かに現代の感覚で言うと不便で不親切で理不尽なゲームではあるけど、技術デモとしては大成功ということでここはひとつ。
それはそれとしてユーザーレビューの治安悪すぎ。
なんもわかってねぇなこいつら(後方腕組みオタク)
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