~会計学(アウトプット)~vol.3

アウトプット第三回!

今回はvol.2でも触れていたようにvol.1、vol.2で学んだ内容を元に損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)を使って会社の健康状態を分析(以下経営分析指標と呼びます)していこうと思います。少し実践的な内容を心掛けようと思いますので経営分析指標の12項目についてアウトプットしようと思ってます。ただいきなり経営分析指標をつらつら並べても分析まで辿りつきにくいかと思います。。。w(自分がそうでしたw)なのでとっつきやすいだろう分析を挟んでからにしようと思いますのでまずは粗利率について考えてみようと思います。いきなり粗利率と言葉を聞いてもピンとこないと思いますがvol.1で出てきた損益計算書の売上総利益(粗利)を覚えているでしょうか?【売上ー原価】で算出される利益(以下粗利と呼びますが)のことで粗利率とは【粗利/売上】で算出され、売上(販売単価)のうち粗利が売上に対してどのくらいの割合を占めているかはかる指標です。は?となった方は下の例を参考に考えて頂ければと思います。ふむふむ。となった方は例は無視して頂いて結構ですw

<粗利率の例>

リンゴを40円で仕入れて100円で販売すると仮定すると販売単価:100円、仕入単価:40円、粗利:60円となり、売上100円のうち粗利は60円なので粗利率は【粗利:60円 ÷ 売上:100円】= 60%となる。つまりこのリンゴの粗利率は60%になるといった具合です。

粗利率は商品別に算出しておき同じ販売単価でも粗利率が高い商品を販売できるように工夫を凝らす必要があります。なぜか?上記例のリンゴと別に30円で仕入れて100円で売るミカンがあったと仮定するとミカンの粗利率は70%になりますね。では販売した内訳について以下の例を見てみて下さい。

リンゴ10個、ミカン5個販売時の粗利:【60円×10個 + 70円×5個】= 950円リンゴ5個、ミカン10個販売時の粗利:【60円×5個 + 70円×10個】= 1000円

上記において販売した商品の合計の個数は同じでも粗利率が高い商品が販売された時の粗利の方が高くなっていることが分かるかと思います。つまり粗利率が高い商品をより販売していくことで経営効率もよくなります。ここまでで粗利率を例に分析する際の手順について沿ってきました。粗利率はあくまで簡易な分析でしたが、ここから本格的に12の経営分析指標についてみていこうと思います。※以下はここまでの内容に比べて複雑な内容になるので必要な方のみ参照して頂ければと思います。()は単位、【】は計算式になります。またここに載せる目安はあくまで目安なので業界によりけりな部分もあると思いますので個々で見極める必要はあると思います。

①流動比率(%)【流動資産÷流動負債×100】・・・短期的な支払い能力を見る指標です。1年以内で現金化する資産のうち1年以内に返済しなければならない負債がどのくらいの比率を占めているか確認します。100%を下回るような場合は1年以内にキャッシュアウト(現金不足)となるので対策を講じる必要があります。目安:140%以上200%以上

②固定長期適合率(%)【固定資産÷(固定負債+自己資本)×100】・・・長期的な支払い能力を見る指標になります。長期的に使用する資産を固定負債がなく返済する必要のない自己資本のみでまかなえている場合は安全性は高いと言えます。目安:100%以下

③売上債権回転期間(カ月)【(売掛金+受取手形)÷1カ月平均売上高】・・・売上債権の回収効率を見る指標になります。売上高の何カ月分の売上債権を抱えているかが分かります。売上債権の状態では現金ではないのでいつ現金に償還されるか債権ごとに確認する必要があります。現金が不足すると現金足らずで黒字倒産のようなケースになりかねません。目安:3か月以内

④在庫回転期間(カ月)【たな卸し在庫÷1カ月平均売上高】・・・在庫管理が適正に行われているか確認する指標になります。売上高の何カ月分の在庫を抱えているか確認することが出来ます。在庫を抱えることはお金が寝ている状態を意味し、さらに在庫の評価損(評価が変動する在庫の場合)などのリスクもついてきます。上記を踏まえて可能な限り在庫を抱えない経営を意識する必要があります。目安:0.5~1.0カ月以内

⑤総資本利益率(%)【当期純利益÷資産×100】・・・会社が保持している資産を使って生み出した利益が資産の内どのくらいの割合かを見る指標になります。借金(借入金)などの負債も含めた資産を使ってどれだけ儲けたかをはかります。総資産利益率(ROA:Return On Assets)と呼ばれることもあります。目安:1%以上

⑥売上高経常利益率(%)【当期純利益÷経常利益×100】・・・事業の収益性をはかる指標になります。会社の通常の営業及び金融収支から生み出した利益の割合になります。原価の見直しや販管費の見直し及び金融収支の見直しをはかることでこの利益率は向上されるはずです。目安:3%以上

➆純資産比率(%)【純資産÷資産×100】・・・株主からの出資(資本金)や積み上げてきた利益(利益剰余金(ここでは留保利益とも呼ばれることもある・・))を合わせた純資産が資産の内どのくらいの割合を占めているのかはかる指標になります。別名で自己資本比率と呼ばれる場合もあります。純資産の割合が多いと負債の割合が少なく状態で経営出来ていると判断する際に活用される指標になります。目安:30%以上

⑧総資本回転率(回)【売上高÷資産】・・・資産の効率性をはかる指標になります。より少ない資産を使って多くの売上が出せるのが効率的な経営であり、この比率が高ければ高いほど理想の経営に近づきます。もちろん業種によっては固定資産を多く抱える業種(製造業のメーカーなど)など傾向によりけりな部分もありますが。。。目安:1.2回転以上

⑨売上高伸び率(%)【(当期売上高ー前期売上高)÷前期売上高×100】・・・会社の成長性をはかる指標になります。この数値が高ければ高いほど成長性は高いと判断されます。10%以上の伸び率が3年続くと本物と判断されることがあるそうです。。(本にはそう書いてありました。)ただし資産も増え続けている状態では別に問題が潜んでいる可能性があるのでこの数値で判断することは禁物です。資産の伸び率を売上高伸び率より低く抑える点がポイントです。目安:10%以上

➉経常利益伸び率(%)【(当期経常利益ー前期経常利益)÷前期経常利益×100】・・・会社の事業の成長性及び収益性をはかる指標になります。基本的な収益構造でこの数値を伸ばせるかが勝負になります。非常に大事!!w目安:10%以上

以下は比較的投資する際に活用される指標になりますので投資をするの判断指標に出てきた場合に意味合いだけでも確認する目的で活用いただければと思います。

⑪1株当たり当期利益(円)【当期純利益÷発行株式数】・・・投資家の判断材料の一つとして活用され、当期純利益は1株当たりに換算するといくらになるのかを示す指標になります。発行株数によって差があるので目安提示は難しい。。

⑫1株当たりの純資産(円)【純資産÷発行株式数】・・・投資家の判断材料の一つとして活用され、純資産は1株当たりに換算するといくらになるのかを示す指標になります。発行株数によって差があるので目安提示は難しい。。

判断する指標は以上になります。もちろん他にも経営分析をする指標は数多あり、会社ごとに有用だと思える指標は多岐に渡ると思うので気になる方は個別で調べてみて下さい。ここには本書でも触れていた12の経営分析指標についてアウトプットしてみました。この分析内容を元にうちの会社の健康診断をしてみようと思いますので数字は公開出来ないと思いますが傾向など自分なりの判断結果をアウトプットするところまで考えております。次回は毎度くどく書いていた【会社が生み出す利益とキャッシュ(現金)は全く別物であると覚えておくこと!!】について触れるキャッシュフロー(CF:Cash Flow)についてアウトプットしようと思います。

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