週刊イスラボニータ産駒2022/8/22~8/28

今週は勝ち上がり1頭を含む4勝の大活躍。中央で勝ち上がったベジェサは門別の交流戦で一度僅差の2着と苦杯を嘗めていましたが、無事に勝ち上がってくれました。さらにその日の新潟最終レースでは休み明け4着だったミスボニータがさらに上昇して距離短縮して勝利し2勝目を挙げました。
一方地方では川崎のエスプリダーコが新馬戦に続いて認定戦を内から伸びて勝利し、ローレル賞戦線に名乗りを上げた他、佐賀のビーガールは3組戦で1番人気に応えて快勝し、中央からのサラオク移籍馬ながらロータスクラウン賞戦線に望みを繋ぎました。
オーストラリアでデビューしたShunmeは既走馬には勝てず8着敗退。ここを叩いての来週の競馬はどんな内容になるのでしょうか。
また、今週はサマーセールが行われ、マルモセーラの2021は2400万円(税抜)で落札され、上場14頭中12頭が落札される活況でした。詳細は通常記事下のその他欄をご覧ください。
来週は小倉2歳Sにフェニックス賞を勝ったミカッテヨンデイイが出走。去年未勝利ながらフェニックス賞で初勝利を挙げ、その後小倉2歳Sを勝ってクラシック戦線でも活躍したナムラクレアのようにここを勝つことができるか注目です。土曜日の札幌スポニチ賞にはイスラアネーロが登録。久々の芝ですが、調教ではかなり良化している印象。2勝クラスの芝で通用するかだけですね。また、筑後川特別にヤマニンサルバムが登録しています。芝が荒れてきているので逃げる競馬では厳しいと思われますから、控えた競馬をするかここをパスして中京へ行くか、どちらかの決断はして欲しいところです。

8/22

Pakenham3R Liberty Equipment Hire Maiden Plate AW1100m Shunme:8着
オーストラリアに輸出され、今月のJump out(競走形式の調教)で1着を取って漸くデビューに漕ぎつけたShunme。だが、流石に既走馬に勝つというのはなかなか厳しく、中団侭で先頭から3.4馬身差の8着に終わった。Jump outで勝った経験はあるし、これがデビュー戦なので諦めずに使っていけばMaidenは勝てるのでは。早速30日に登録があり、オーストラリア流の使い方に合っていればいいのだが……。

8/23

船橋7RJRA交流ナティビット特別3歳C1選抜馬JRA所属馬ダ1600 ベルマリエ:11着
最後のチャンスとなったベルマリエは積極的な位置取りで3,4番手先行策。しかし、この1600という距離、そして相手のレベルがベルマリエにとっては荷が重かった。残り800あたりから先団からは脱落し、次に映されたときには直線で離れた後方にいた。結局9着から2.9秒、10着からも5馬身離された11着大敗となりベルマリエは終戦した。

8/24

特になし

8/25

門別1R2歳未勝利ダ1600 イスデボニュウタ:6着
前走3着に入ったイスデボニュウタ。ただ、ここは前走先着されたヒダカホンセンがいた。前走届かなかった反省からか、イスデボニュウタにしては前目の中団単独5番手につけての追走。しかし、結果的にこの中団からの競馬があまり良くなかったらしく直線で延びを欠き、先行勢を交わし差し勢に交わされの6着に終わった。

門別3R2歳未勝利ダ1000 ティーズアヴァンセ:3着
そろそろ勝ち上がりたいティーズアヴァンセだが、ここに来てピンク帽8番枠。しかしその不利を物ともせず、好スタートからの逃げを打つことに成功した。だが、内に2着3着続きのタイムパトロールがおり、これに直線に入ったところで交わされ、さらに中央から転入してきた9番のレイシンにまとめて差し切られて3着まで。内容は悪くなかったが勝ち馬が強すぎた。

川崎5RJRA認定シャイニングメモリー賞2歳1ダ1500 エスプリダーコ:1着
エスプリダーコは次の重賞に繋がる大きな勝利を挙げた。調教で超抜時計を出していたエスプリダーコは認定戦に出走。スタートは微妙で中団からになったが、するすると馬群を縫って1コーナーまでに内4番手で先団3頭を見る形の位置取りへ。直線に入ると外に出すことはせずわずかに1頭分ラチとの間に空いた空間に突っ込み、そこから力強く伸び、最後は流しながらも2着のテイコクとの差を広げて3馬身差をつける圧勝。逃げずに崩れる早熟馬が多い中、逃げずともいい内容で競馬ができたというのはなかなかに価値があり、ローレル賞の最有力馬になったと言っても過言ではないだろう。

8/26

特になし

8/27

札幌2R2歳未勝利芝1200 クリノヒーロー:6着
クリノヒーローは来週2歳にダート短距離番組がないためか、連闘で芝1200m戦に出走。スタート自体は悪くなく、本来は先行策も取れるはずであるが、連闘の疲れか新味を出すためか、大きく遅れたナックホリデーを除くと最後方からの競馬。しかし、このレースは完全な前残りとなってしまい全く展開が向かず、掲示板にも残れず6着でフィニッシュと残念な結果に。かなり間隔を詰めてのレースが続き、次にダート短距離の番組があるのは結構先なので、そこまで少し落ち着ければいいが…。

札幌3R3歳未勝利ダ1000 ベジェサ:1着
ベジェサと鞍上横山和生は門別での雪辱を見事果たした。スタートは抜けて良かったわけではなかったが押して外サリーチャンと並んでの後ろと余り差のない逃げを打った。直線に入ると内から力強く伸びてサリーチャンを競り落とし単独先頭に立つと、後ろの追撃を許さず押し切り勝ちを収めた。このときベジェサは上がり3位を出しており、逃げて上がり3位では後方勢は一たまりもなかっただろう。未勝利ギリギリでの勝ち上がりとなったが、勝ち上がれて本当によかった。

札幌4R3歳未勝利ダ1700 ハイアキュレイト:8着
            フラッシュサンダー:12着
ハイアキュレイトは内枠3番からゲートをそれなりに出たものの抑えて中団からの追走。道中は中団集団の内先頭にいたのだが、3コーナー手前で外の馬が仕掛けていく中鞍上の経験の浅さからか仕掛けが遅れて後方へ。それでも34コーナー中間あたりから仕掛けて渋太く脚を伸ばしたものの、仕掛けの遅れとそもそもの能力差が出て8着で終戦した。一方フラッシュサンダーは後方侭で後ろに2頭大差負けがいるが、11着からも6馬身離された大敗でフィニッシュした。

小倉4R3歳未勝利ダ1700 バリオーレ:7着
バリオーレは前走大敗の影響で芝の条件が使えずダートの中距離戦に回った。発走はよかったが外枠であったこともあってジョッキーが押しても中団までしか行かなかった。道中はジョッキーが押し続けているのに前に行かず大敗も覚悟したが、意外にも直線外に出すとそれなりに延びて7着奨励金圏内での終戦となった。後ろからの競馬での入着歴ということで地方ではやや難しい馬かもしれず、ケンタッキーオークス馬の半妹という血統背景を考えると繁殖入りかもしれない。

新潟12R3歳以上1勝クラス芝1200 ミスボニータ:1着
前走はテンションが上がり切ってしまい1600の番組を使って4着だったミスボニータだが、今回は落ち着いて適距離のレースに臨めたことが功を奏した。新たに逃げ先行が得意な坂井騎手を鞍上に迎えて持ち味を生かす4番手からの先行策。逃げ馬2頭が5馬身離し、3番手のすぐ後ろで抜け出す機会を窺った。直線入り口では馬場の悪い内に突っ込むのではなくちゃんと常識的な範囲で馬場4分どころの外に回すと、外で粘っていたショウナンタイジュの横を難なく抜け出して勝利した。筆者自身は1600以上の方があっているのではと思っていたぐらいなのでこの結果は少し意外だが、1200を使えるのなら番組は沢山あることだし更なる前進を期待したいところ。

佐賀5RKYUSHU DREAM賞ダ1400 ビーガール:1着
ビーガールはここまでの安定した成績を評価されて1.5倍の1番人気を背負うことになった。それほど前が激しくなかったこともあり、押して逃げ馬の外に半馬身差でピッタリ付ける2番手の位置取りで道中は追走。この時点で前と後ろは分断競馬になっていた。そして直線入り口では外目を回すと、そのまま抜け出し、ビーガールより更に大外を回ってきた2着馬の追撃を2馬身突き放す快勝で佐賀3勝目を挙げた。この勝利を受けてかロータスクラウン賞ステップの佐賀城特別(1800m)に登録しているが、流石に1800は長いかもしれない。それでも好走に期待したいところ。

8/28

札幌1R2歳未勝利芝1500 セフィロ:出走取消
            パクパクデスワ:3着
セフィロは枠順確定前に出走を取り消し。大きな怪我などでなければよいのだが……。
パクパクデスワは前走変わり身を見せて掲示板圏内からの距離延長戦。札幌1500で小頭数とはいえ外枠を引いてしまい、その上スタートで煽って出遅れ最後方からとなってしまった。なんとか3コーナーまでに馬群には追い付いたものの、34コーナー中間で脱落した1頭を除けば依然最後方。残り150mくらいまでその状況が続きこれまでかと思われたが、残り150mくらいで馬群に入ってやる気を出したのか残り100mだけ凄い脚を使い、馬と馬の間を割ってハナ差の3着を確保した。どうやら気性に問題があるようで、勝ち上がれるかは分からないが、能力はあるので角田和騎手が言うように1800のようなもう少しゆったりした距離ならばチャンスがあるかもしれない。

小倉2R3歳未勝利芝2600 クラトス:13着
前走高知の交流戦を大敗したクラトスは殆どヤケクソ気味に2600m戦に出走。スタートもよくなく、騎手も回ってくるだけという認識なのか最後方をポツンと追走していた。道中は最後方から位置が動かなかったが、2周目3コーナーあたりで後方を追走していた1頭が脱落し後方2番手に。さらに直線で先行して潰れた1頭を交わして13番手となり、12着から8馬身差の13着でタイムオーバーにだけはならずに完走した。

札幌7R3歳以上1勝クラスダ1000 プラソン:4着
プラソンは外枠にスタートの速い馬がおり、中団からとなったが、これがどうもいけなかったようで砂を被るのを嫌がって後退してしまった。なんとか騎手も外に持ち出し、砂を被らない位置に持って行って直線へ。しかし、砂を被って気を悪くした分なのか伸びを欠き、3番手に上がったのも束の間ゴール前で内からハナ差交わされて4着となった。砂を使うなら逃げなければならない様子。

札幌9R小樽特別(3歳以上1勝クラス)芝1200 スマイルアップ:14着
この4週間で3走とすごい使われ方をしているスマイルアップ。そのツケが回ってきているとしか言えない大敗だった。スタートはあまり良くなく中団からとなったが巻き返して4番手あたりからの先行策。しかし、馬場がただでさえ開催が進んで外差しとなっており、その上に疲労が溜まっているとなると直線3番手で入ったとしても残り200mからどんどん後退して14着となるのも無理からぬことだろう。また、そもそも洋芝が合っていないので、福島開催辺りを使うべきではないだろうか。

川崎3Rスパーキングデビュー新馬2歳7ロダ900 ミュークテリウス:7着
能力試験ではあまりよいタイムを残せていなかったミュークテリウスは、能力試験で逃避癖を見せていたトシコノユメに次ぐブービー人気での出走。スタートは普通だったが、追走するスピードが足りず、逃避して10馬身程不利となったトシコノユメを除いて最後方からの追走。直線やはり6番手の内に入って直線に入ると少し離れた外に並んだ牝馬レディーラッキーが気になったのかそれとも噛み付きに行ったのかそちらにクビを伸ばして後退。後方から追い込んできたトシコノユメにさえ3馬身離される大敗でのホロ苦いデビュー戦となった。

新潟12R3歳以上1勝クラスダ1200 シルバーキングダム:11着
シルバーキングダムは久しぶりの競馬。調教時点では少し重めだったようだが、結局前走-4㎏での出走となった。今回はハナに拘らないという調教師の話があった通り、騎手に指示があったのか5番手の内からの追走。しかしながら、直線に入ると全く伸びを欠いてしまい、11着大敗という結果に終わった。もしかすると左回りが少し苦手なのかもしれない。休み明けなので中山替わりで叩いて上昇があればいいのだが。

その他

今週は平日を通してサマーセールが行われました。5日もの長丁場となりましたので各日程ごとに詳細を記します。

8/22
合計3頭が上場したが、3頭中2頭(シップフォクイーンの2021、フウコウメイビの2021)は主取りという結果に。フウコウメイビは母兄弟ともに地方下級条件での実績しかなく、SS3×3のクロスということでお声が掛からなかったものと思われる。シップフォクイーンの方は2代以内に活躍馬がおらず、その割にお台が500万円と高かったからだろうか。
落札されたのはヌレエフクィーンの2021でこちらはお台250万円からスタートし500万円まで競り上がり、"アカイイト""ヨカヨカ"の岡浩二オーナーに落札された。キンシャサノキセキ産駒の兄が1勝クラスで入着し堅実に稼いでいるためか。牝馬なので岡オーナーのサンデーヒルズで繁殖入りできる程活躍できればいいのだが。

8/23
この日はドリームマジックの2021のみの上場。これといった活躍馬はいない血統だったが、お台300万円から少し競り上がり360万円で中東正明氏(HBAの結果一覧ではライフ・カラー㈱)に落札された。

8/24
4頭が上場し、2頭が1000万円を超える高値を記録し、4頭とも無事に売却された。グランシャルムの2021は母父Dylan Thomasという変わり種で、今年のクラシック戦線で半兄グランドラインの名を見かけた人も多いはず。その期待を受けてか、「タイセイ」の田中成奉氏に1900万円の高値で落札された。
ピサノグレースの2021は王道のフジキセキ×フレンチデピュティ配合で全姉にプリティプリティーがおり、兄に中央で1000万下まで行ったホイールバーニングがいる血統。落札なさったのは福地トレーニングファームだが、850万円というのはピンフックには些か高い金額に思えるので自持ちで走らせるのだろうか。
マルモセーラの2021は母にファンタジーSの勝ち馬を持ち、兄弟も堅実に走っている良血馬。こちらもフジキセキ×フレンチデピュティ(クロフネ)の配合であり、それらの評価点から競りも白熱。最終的にはコスモヴューファームに2400万円で落札された。恐らくはウインで募集されるのであろう。ウインとイスラボニータはこれまで御縁がなかったが、評価が改まったのだろうか。
アクトナチュラリーの2021はダートのノーザンとの呼び声もあるグランド牧場の生産馬で、祖母にアメリカG3勝ち馬を持つ良血。ただ、半姉が中央未勝利で東海転出したためかそれ程評価が上がらず、600万円で波多野了平氏に落札された。

8/25
この日も4頭が上場し4頭とも落札。
コマノリリーの2021は3代母にリンデンリリーを持ち、2代近親及び兄弟も堅実に走っている実績ある牝系。キンシャサノキセキ産駒の半兄コマノバルーガも中央で2勝を挙げている。これが評価されてか、牝馬ながら1650万円の高値で三宅勝俊氏に落札された。
シルバーフォーの2021は母の実績はさほどないものの、牝系から数多くの北米ステークスウィナーを輩出している血統。とはいえ、いかんせん母の実績に乏しいので、お台300万円から少しずつ競り上がったが420万円でY.Y.Blood Stock(地方での早仕上げで知られる育成牧場山口ステーブルのピンフッカー名義)に落札された。
スズカマンサクの2021は中央1勝の母の初仔で母父はロードカナロア。牝系を遡るとスズカフェニックスなどの名前も見える「スズカ」血統。初仔ということもあって一度は主取りになって再上場となったが、結局再上場でお台の300万円を上回る380万円まで競り上がって㈲辻牧場に落札された。
ランデックギブリの2021はバレークイーンに連なる血統で、伯父にはオープン時代のホープフルSを勝ったサトノネプチューンなどもいる血統。400万円の台付けから10万円づつじわじわ上がっていく様相を呈していたが、一気に500万円まで引き上げて小林裕典氏が落札。埼玉県馬主会の補助を受けているため、浦和デビューが確定した。

8/26
最終日は2頭が上場。余りにも長い競りに少し売却率も落ちていたが、イスラ産駒は2頭とも売れた。
ゲイエティの2021はメイジガルボの牝系で、2代近親からモグモグパクパクなどが出ている血統。お台は400万円だったが、トモのしっかりした馬体が評価されてか900万円まで競り上がって荒木誠氏に落札された。荒木氏はフジの冠名を使用されているようだが、フジキセキに何か思い入れがあるのだろうか。
バニラマカロンの2021は牝系を遡るとアドマイヤコジーンなどがいる血統。半兄はオータムセールで100万円台で取引されている馬だったが、この馬はフジキセキ×デピュティの配合と馬体が評価されてか、800万円まで競り上がり「テイエム」さん、つまり竹園正継氏に落札された。

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