週刊イスラボニータ産駒2022/9/5~9/11

今週は中央地方合わせて1勝だけでしたが、その1勝が大物感漂うものでした。日曜の中山1600m新馬戦でデビューしたダノンゴーイチの走りはまさに父を彷彿とさせるもので、「イスラボニータ本人が出てきた」と評する人さえ居る圧巻の内容でした。
地方ではユメミルボニータが勝ち切れずに2着とした他、金沢ではイドロボニータ、ヴェーチェルといずれも移籍初戦の2頭が2着。どれも内容は悪くなかったのですがどうも勝ち切れませんね。
来週は3日間開催ですが、特別戦には新馬を勝ったオリオンネビュラがききょうSに、目下マイル2連勝中のコスタボニータが月曜中京マイル戦のジェンティルドンナCに登録しています。オリオンネビュラの方はどうやら調教で外に持たれ気味になってしまったようで、相手が思ったより揃ったこともあり少し苦戦を強いられるかもしれませんね。コスタボニータはここを楽に突破してエイジアンウインズの夢に続きを見せて貰いたいところです。
新馬ではダリオールショコラが日曜中山の牝馬限定マイル新馬戦に想定されていますが、どうやら競争率が高く抽選になりそうです。また、イスラの主戦だった蛯名師が手掛けるインゼルのシャーンゴッセは鞍上に武豊騎手を迎えて月曜中京マイル戦で想定されています。

9/5

名古屋4R3歳14組ダ1500 デルマスプリガン:11着
かなり馬体重を落としてしまったデルマスプリガン。スタートはそこそこにやや促しながら外目4番手を追走する先行策。しかし、3コーナー手前までは問題なく追走できていたが、3コーナーから急速に失速し後方外目にまで下がってしまった。その結果ブービー11着。このクラスでこの成績は危ういかもしれない。

9/6

盛岡9RJRA交流オニキス賞3歳ダ1200 ラブシックボッサ:4着
                   ルナエルモッサ:7着
ラブシックボッサ、ルナエルモッサともに最後のチャンスをかけての出走。ルナエルモッサは大外枠に入り、スタートをちゃんと出て3番手の追走。4コーナーは一団となって直線へ。しかし、外々を周らされてしまい、騎手も藤田菜騎手と追えない騎手だったためか、直線で一団から脱落し7着と惨敗してしまった。この後サラオクに出品され、ビーガールも所有されている子守オーナーが落札。賞金をかなり稼いでいる馬なので園田だろうか?一方、ラブシックボッサは中団からの追走だったが、早めにまくって来て直線入り口では一団に加わって直線へ。しかし、そこから上がり最速の脚で追い込んだものの逃げ馬には全く届かず4着まで。しかもこの後6か月の骨折が発覚してしまった。

9/7

特になし

9/8

門別1R2歳未勝利ダ1500 イスデボニュウタ:9着
イスデボニュウタは入着歴のある1500m戦への出走。スタートはよかったが、無理には出して行かず、内目6番手あたりの中団を追走。この馬にしては前目の追走だったが、中団グループの最前列5番手で直線へ。しかし、直線全く伸び脚がないどころか失速してしまい、位置をどんどん下げて8着から4馬身も離された9着と大敗してしまった。何が悪かったのか分からないというのが正直なところなのだが……。

笠松11R数河高原特別3歳1ダ1400 ユメミルボニータ:2着
ユメミルボニータはメインレースで堂々の1番人気を背負っての出走。外目の枠に入って、4番手外目あたりからの追走。スローペースの展開となっていたが、3コーナーで急速に5番人気の伏兵カナデソニックが外からまくって来て先頭に躍り出ると同時にユメミルボニータも仕掛けて2番手に。しかし、カナデソニックに4コーナーでは迫っていたものの直線差す脚を見せられず、突き放されたところで追うのを諦めて4馬身差の2着で入線。後ろに3馬身差をつけておりこのクラスでは相当上位なのだが、してやられてしまった。10月からは古馬編入となり、古馬A級牝馬相手に3着と実績はあるがどの程度やっていけるだろうか。

大井6R3歳279万円以下ダ1200 カリスマパラダイス:5着
カリスマパラダイスはこの距離ではスタミナが保たないにもかかわらず、先行力が評価されてかまたも2番人気に推された。スタートはよかったが、逃げていてはスタミナが持たないという判断か4番手内目あたりに控えて先行。直線入り口では外に持ち出すと、直線前を追い3番手にまでは迫ったものの残り200mでスタミナ切れ。最後内にいた馬に差され、何とか掲示板には残ったものの5着までとなった。明らかに1200は長く、この距離で使い続けるのは馬が可哀想。

9/9

特になし

9/10

中山2R2歳未勝利芝1600 モンテイゾラ:8着
モンテイゾラは復帰戦で鞍上ルメールとあって1番人気に推されたが、スタート後大きく躓いしまい、まさかの大出遅れ。立ち上がった1頭を除くと最後方からの競馬になってしまった。なんとか馬群に追いつき、3コーナーから外目でじわじわと押し上げて4コーナーは中団後ろで大外を回して直線へ。しかし開幕週の馬場とあっては前残りになるのも当然の理で、最後は流して8着でゴールした。どうやら躓いた際に外傷を負ったらしく、続戦はキャンセルして天栄に戻るとのこと。何となく運がないが、この良血馬は年内に勝ち上がれるのだろうか。

中山5R2歳新馬芝2000 バンディート:7着
母はSea the Stars産駒でイスラ産駒としてはやや重めのスタミナ血統を持つバンディート。それが考慮されたのか2000m戦でのデビューとなった。調教は芝追いながら好時計に纏めており、単勝3番人気となっていた。開幕週に絶好の最内一番枠に入ると、絶好のスタートから前に行ってハナを奪おうとしていたが、1コーナーでアクシデント発生。1コーナーを曲がり切れずに逸走し、ジョッキーがバランスを崩して位置が下がってしまった。なんとか向こう正面までに立て直して2番手を追走していたものの、4コーナーでスタミナ切れとなってしまい斜行。そのまま直線はずるずると後退して6着から大差の7着に終わった。先行はできており、残り600mあたりまでは余裕たっぷりだったので能力的に足りないとは思わないが、やはり2000mは長く小回りの中山内回りコースは向いていなさそうだ。なおこの逸走でバンディートには平地調教注意のお達しが下った。再審査でなかっただけ有情だろう。

9/11

中山1R2歳未勝利ダ1200 クリントンテソーロ:6着
クリントンテソーロは最内枠に入ったが、スタート出が良くなく後方からとなりかけたのを押して押して芝コースからダートコースに入るまでに中団前目にまで押し上げた。前の3頭が後ろを離して先行する中、中団一団の前最内にクリントンテソーロは陣取って直線へ。しかし、このレースは展開も前残りでクリントンテソーロ自身も直線伸び脚を欠き、最後交わされて6着と掲示板を外す結果となった。

金沢1RC2十六ダ1400 イドロボニータ:2着
秋に入って3歳世代戦が消滅した金沢に、イドロボニータは移籍初戦。コース経験からなのか1.4倍の圧倒的1番人気に推された。好スタートからハナを奪うかとも思われたが、外から凄いスピードでブランデウェインが大逃げ。イドロボニータは付き合わず離れた2番手の外に位置取った。ブランデウェインが直線手前で逆噴射していく中、外々をルーシッドと共に回して直線へ。直線一瞬ルーシッドに進路をカットされる不利があり、若干失速。その後も鋭く脚を伸ばしたものの、ルーシッドにはハナ差届かず2着まで。不利が効いてしまった形になってしまった。

中京3R2歳未勝利芝1400 ショウナンダグラス:11着
ショウナンダグラスは距離短縮戦。1枠1番に入り、内で3,4番手の先行好位差しを狙っての競馬。その位置で脚を溜めて差し切るというプランだったと思われるが、この日の中京の馬場は開幕週であるにもかかわらず差しが効く馬場だった。直線ショウナンダグラスの前が空きここからグッと抜け出してもおかしくなかったが、どうにも差し勢の伸び脚がよく、差し切られて11着と着順上は惨敗してしまった。とはいえ、殆ど一団でのゴールであり着順ほどは負けていない印象。トラックバイアスが向いてくれれば……。

金沢3RC2十四ダ1400 ヴェーチェル:2着
盛岡で掲示板に入れなくなり金沢に移籍してきたヴェーチェル。どうやらこの移籍は成功だったようだ。スタートはややごちゃついたが、無事に抜け出してヴェーチェル含む3頭が後ろを離して逃げる格好。ヴェーチェルは3番人気パープルツバメの1~半馬身差の外2番手につけた。この体制で3コーナーから追い出していたが前との差は縮まらずに直線へ。直線は外を回し、内パーウルツバメとの離れた追い比べとなっていたが、直線脚を伸ばしつつも半馬身の差を詰め切れず2着まで。とはいえ内容的には悪くはなかったのでまだまだやれそうだ。

中山5R2歳新馬芝1600 ダノンゴーイチ:1着
この世代一の大物がデビューしたかもしれない。セレクトセールで5000万円超で取引され、イスラ産駒のIn Realityのクロスという早くから「走る」配合を持つダノンゴーイチ。名前からするとあまり期待されていないのだろうかという感も抱いてしまうが、走りは期待を抱かせるもの以外の何物でもなかった。テンは早くスタートから逃げてしまうこともできたが、ここは教育の為か控えて馬群の中の内5番手あたりで待機。3コーナーからやや位置を押し上げようとしたが、34コーナー中間で丁度前にいたウィットサンデーが柵に接触するアクシデントが発生し、手綱を大きく引く場面も見られた。それでも4コーナーまでには3番手にまでやって来て直線へ。直線ではまるで父イスラボニータの走法を誇張したかのような前肢を高く振り上げ地面に打ち付ける走法でするすると逃げ馬に迫り、楽々2馬身半交わして快勝した。菊沢調教師も「2歳のこの時期としてはウチの厩舎にはいなかったレベル」と評しており、重賞制覇、ひいてはイスラ産駒初のG1制覇が期待される1頭となった。菊沢師はこの馬をマイラーだと考えているようなので、目標は朝日杯からNHKマイルだろうか。マイラー好みのダノンの馬ということもあり、あまり距離延長は望めないかもしれないが、欲を言えば皐月賞の親子制覇を見たいところ。

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