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「ぼく、街金やってます」 発売前にちょっとだけ公開  〜はじめに〜

  街金が本を出す。債務者をネタに本を出す。
こんな最低で胡散臭い本の告知にたくさんファボやRTいただき、ご予約していただき、Amazonランキングにまで登場してしまい、池袋の雑居ビルでガクブルしています…。皆さま、本当にありがとうございます。

思えば遠くへ来たもんだ…。
発売よりずいぶん前に告知してしまったので、
『おい街金、いつ届くんや?』
とリプをちょうだいしております…。まもなく到着すると思いますので、あと少しお待ちください。

そこで、お届け直前に一部だけ公開しちゃいます。
予約キャンセルしたら、許さないんだからっ!

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『ぼく、街金やってます』 はじめに -----街金のこと、教えます 

 はじめまして。 池袋北口の風俗ビルに入居する街金ではたらいてるテツクルです。 投資家たちから年利10パーでお金を借りて、債務者に15パーで貸しています。 

 まず、街金を誤解しているひとが多いので、説明させてください。 街金と闇金はまったくベツモノです。 国や都道府県に貸金業者として登録して、強烈な監視の下でお金を貸しているのが街金です。 街金は、法律で定められた金利の範囲でお金を貸しています。 範囲といっても、上限いっぱいですが。 

 取立ても当然ルールの範囲内でやっています。 今は、夜中に取立てしたり、「おいこら!内臓(自粛)」とか脅したり、勤務先に取立てに行ったり、家族から取立てたり、これぜんぶアウトです。 街金はルールをギリギリ守り、法廷金利の上限ギリギリで貸しています。街金はギリギリセーフなんです。 

 だから、街金を闇金とごっちゃにされるのは心外です。闇金がワシ街金王!とか言うからややこしくなるんです。 

 銀行やノンバンクから借りられない人に貸すのが街金、急な資金需要にも対応するのが街金、債務者との距離感がとても近いのが街金です。 街金は、債務者の資金繰りに口出ししたりします。 回収をスムーズにする目的が大半ですが、債務者の再起の可能性を模索しながらアドバイスすることもあります。 

 街金にお金を借りに来るひとは、前述の通り、どこからもお金が借りられないひとなので、街金の顧客は全員債務超過といっても過言ではありません。 なのでぼくらは、債務者との距離を近く保ち、関係を築き、ちょっとした変化も察知できるようにしておく必要があります。 

これを徹底しているので、弊社は創業以来貸倒ゼロです。これ自慢です。 

ぼくがはたらいている街金では、年間100〜150人の多重債務者に融資をしています。 いまは不動産を担保に融資をしています。債務者が所有する不動産に抵当権を設定して融資をしています。 

不動産を担保にとってるんなら、貸し倒れなんかしないだろ?とお思いでしょ? 街金の場合、抵当権の順位1番で貸せるケースの方が稀なんです。 弊社は、先順位に銀行、ノンバンクがいても担保に余力があると判断すれば、順位関係なく貸すんです。余力の隙間に抵当権を捻じ込んでるんです。 後方の順位からいかに全額回収するか、ギリギリを綱渡りしている多重債務者に、ルールギリギリで融資するんですから、ギリギリの駆引き、攻防が求められます。 

だから、弊社の貸倒ゼロは誇れるんです。 お金を貸すことはバカでもできる。回収まで考えて貸せるか。だからといってリスクばかり考えてたら誰にも貸せないわけです。 

 街金からお金を借りるひとは、90パー以上が負の連鎖に陥っています。 借りたお金が生き金にならない。肩代わり、支払い、一歩も前に進まない借金を積み重ねています。お金を生まない借金の利息を払い続けなきゃいけない。

だから一瞬も目が離せないんです。 利払日じゃなくても電話します。世間話から資金繰りの状況を窺います。 実情を探るためにアポなしで訪問したりもします。 

多重債務者は嘘つきです。嘘のストーリーを構成してお金を借りにきます。 当然です。 正直に話したら貸してもらえないんですから。 

多重債務者はすぐ人のせいにします。 そのくせ、人の意見を聞こうとしません。 

多重債務者はその場の損得で動きます。 先々を考えることから逃げるから債務も積み重なっていくんです。 

そんな多重債務者のひとたちは、お金についての発想が根本からズレている傾向があります。債務に追われてズレてしまった人も多いのかもしれません。 お金に対する理性を失ってしまうんです。 

お金が最優先、お金のためなら、という発想、こわくないですか。 

 さて、ぼくが皆さんになにを伝えたいか。 お金の本質を理解すればあなたもきっと豊かになれる、とか、 お金は信用から生まれる、とか、そういうのは天上のほうにお住いの方々がお話しするものですし、街金が語っても説得力ゼロです。

 ぼくがお伝えしたいのは、イメージでいうと、フィンテックの世界じゃなくて、生臭い現金の世界。 多重債務者との攻防で、澱んだ人間ドラマが垣間見えます。 テレビの深夜ドラマで無名役者のひとたちが演じている後味の悪さを残す結末のアレ、です。 

そんな深夜ドラマのような日々の中で、知ることができたお金の魔力とそれに取り憑かれた多重債務者の過ちをお伝えすることで、世の多重債務者の人たちが少しでも救われるきっかけを提供できたら、と考えたわけです。

 「オレ、毎日お金に追われてるな。」資金繰りに窮しているひとのお役に立てればと。 

債務者の手助けになること教えてお客さん減らない?とか心配はご無用です。 お金のこと、どれだけ説いても、多重債務者は真摯に受け止めることはないので、ぼくの仕事は安泰なわけです。 国が街金全社が吹き飛ぶくらいの貸金業法改正しない限り、多重債務者はいなくならないんです。 

街金に縁のないひとも、ぼくが見てきた多重債務者の生き方を反面教師にできれば、お金で苦しむリスクは多少なりとも軽減できるのではないでしょうか。 

天上にお住まいで、お金でお金を生んでるようなひとたちには、これっぽっちも参考になることはないので、下界は大変だな〜程度で読んでいただけたら幸甚です。 

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続きは、8/2発売(Kindle版は8/1)の「ぼく、街金やってます」、ぜひポチッとお願いします!


もうご予約いただいた皆さま、愛してます。

ほんとにぼくでいいんですか?