ねこのきもち
うちには2匹の猫さんがいる。
うちに来て、コテツ(モフモフのほう)は約7年、ちび太(ハチワレのほう)は約6年になる。
コテツは生まれてすぐに飼い主さんが亡くなってしまい、近所の方が引き取ったのだがその方も飼えない事情があり、うちに来ることになった。
ちび太もやっぱり生まれてすぐに飼い主さんがどうしても飼えない事情ができてしまい、うちに来ることになった。
コテツは人たらしで、誰が来てもすぐにスリスリとすり寄っていくが、ちび太は人見知りが激しく、知らないひとが来ようものなら押入れに隠れて一切出てこない。(唯一トミショウくんはうちに何回も泊まり来てちび太が寄っていくようになった!)
ここからの話は、アイツやべー奴だなと思われてもアレなので誰にもしたことはないが、実は私はコテツともちび太ともけっこう会話している。毎日だ。
たいした会話ではないのだけど、これだけ一緒にいると向こうも頻繁に話しかけてくるし、だいたい何が言いたいのかくらいはわかる。こちらから話しかけても必ず返事もする。なんなら私が二匹に対して親父ギャグをかました時なんて、”わざと”無視したりもする。おまけに一時のアメリカとソ連くらいの冷たい視線をこちらに向けてくる。なかなかのやつらだ。
そして私が椅子に座っていると必ずどちらかが膝の上に乗って来てそのまま眠りについてしまう。これも毎日だ。
昨日はなんとそれの順番待ちというか、私が一旦席を離れて椅子に戻ろうとしたらその椅子の前の机の上に二匹が待機していた。
これはどちらが先か決まっているのか気になったが、私は素知らぬ顔で席についた。数秒間の沈黙のあと、やはり我がままボーイのちび太が先にのそっと私の膝へやって来た。
ひとしきり頭から背中を撫でてやり、気の済むまで私の手の甲をペロペロしたらそのうちにちび太は飽きて降りていった。
そこに待ってましたとばかりにコテツが膝の上にやって来る。
ちび太の時点でちょっと足がしびれているのだがここは我慢するしかない。
コテツには、わざと触れずにほうっておくと、尻尾を高速で振りはじめる。
撫でろの合図である。
「撫でるの?」と聞くと、ニャー(そうだ)と言ってさらに尻尾を高速回転させる。
コテツは頭と顎の下を気の済むまで撫でて、最後の仕上げに背中を撫でる。
この時注意しなければならないのは、まず私は足を不用意に動かしてコテツのポジションを変えてはならない。ちょっと足しびれたなぁと思ってコテツのお気に入りの態勢を変えようものなら、怒りだして「キー」と言い、手を噛まれる。(もちろん甘噛み)
そしてちび太との違いは、コテツはこのまま本気で眠ってしまう。
スピ―スピ―と鼻を鳴らして。
この時もはや私の足には感覚がない。
これをほぼ毎日やる。
あと寝る時は、コテツは布団の上、ちょうど私の股の間か背中に乗ってる時が多い。布団に入ることはない。
ちび太は必ず布団に潜り込んでくる。
だからいつも寝る時は、「ちび太寝るよー」と言うと、どこにいてもものすごいスピードで走ってきて布団に入る。そしてギュッとしてる間に私が先に寝てしまう(私は3秒で寝れる人)ので、そのあとちび太がどうしてるのかは知らない。
夜中にトイレで起きると、布団の上で二匹はくっついて寝てることが多いので、きっと私が寝たあとはちび太は布団の上に移動してコテツと仲良く寝ているのだろう。
この二匹、ケンカもするが基本的には仲が良い。
特にコテツがちび太をいつも心配している。
猫は時々毛玉を吐くのだけど、ちび太がゲホゲホやって苦しそうにしていると必ずコテツが心配そうに近づいていって、ちび太の頭をペロペロしてる。
それを見て私が「やさしいね」と言うと、得意げに「ニャー」と言って爪とぎタワーに向かって行き、ドヤ顔でガリガリと爪を研ぐ。
家の中ではこんなことを毎日繰り返している。
そんなに変化もなく、似たようなこと、会話、を二匹としているが、どの瞬間も愛しくてたまらない。
この子たちが来てくれて、明らかに私の人生は明るくなった。
そんなとりとめもないような話でした。
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