イチローさん

野球には全く興味もなく、あまり詳しくないのですが、イチローさんがすごい人だってことくらいは、わかります。

そんな私ですら、昨日の引退会見には感動しましたね。

プロフェッショナルとはこういうことか、と。

とにかく周りの方やあらゆることに対する”気遣い”や”敬意”がすごい。
徹底している。

一見冷たそうに映るその受け答えだが、ちゃんと全てに真摯に応えている。
適当に答えている場面がひとつもなかった。
違うものは、違う、言えないものは、こういう理由で言えない、とか。
正直な答えをまっすぐ前を見て話していた。

「楽しかったのは最初の3年だけ。それ以降は楽しくはなかった」

会見を見て思ったのは、このひと侍だな、と。

綺麗事だけではないその選手生活20数年間のことを正直にハッキリと語ってくれた。

これだけしっかりと話してくれると、メディアの連中もこの通り載せるしかあるまい。お得意の美談への加工も難しいのではないだろうか。

今や、真実は目に見えにくい時代だ。

情報は錯綜し、捻じ曲げられ、真実は隠される。

フィクションが横行し、敬意なんてものはどこへやら、金の匂いのするものしか取り上げない。

真実を知りたければその場にいることしかない。

こんなちっぽけな歌うたいの私でさえそういうふうに感じる場面があるのだ。

でも、イチローさんはその対処法をみせてくれたようなものだ。

常に自分と向き合って、自分の内にあるものと闘ってきたのだな。

他人と比べることの馬鹿馬鹿しさをそっと教えてくれるような言葉の数々だった。

私も私の内にあるものと闘い、淡々と自分を磨いていこうと思う。

おつかれさまでした、ありがとうございました。

イチローさん。