2019.3.11
キャンドルジュンさんから今年もお誘いいただき、福島JヴィレッジのSONG OF THE EARTH 2019に出演させていただきました。
あれから8年が過ぎ、未だに多くの問題を抱える福島でこうしてステージに立たせていただける機会をもらえることが、自分にとってはとても大きなことで。
2011年のあの時、何にもできない自分への失望と虚無感に押しつぶされそうになっていたけれど、”いつか必ず自分の出番がくる”、そう信じて、自分が必要とされる時が来たら、ちゃんとできるようにと、準備をして待っていた。
それが2016年にこうした縁をいただいて、ついに福島へ通えるようになった。
そこから4回目の3.11でした。
月命日のイベントに通わせてもらっているので、福島のおかあさん、おとうさん方ともすっかり親戚のような関係になっていて、会うといつも嬉しそうにしてくれて。
その中のひとり、富岡町から避難生活を続けるおかあさんの言葉が忘れられない。
数人で原発の現状などを話している時だった。
「もうオレ(自分のことをオレと言う)が生きてるうちには家には帰れねえよ。それはわがってんだ。偉い人はウソばっかり言ってねえでちゃんとほんとのこと言ってほしい。ずっとモヤモヤしたまんまだべ」
他の方からも、似たような言葉を聞いた。
8年が経った今、諦めとは違う、新しいスタートの気持ちというか、うまく言えないけど、去年までとは違う福島の皆さんを見た気がした。
ここからは想像でしかないが、今まで期待してた政府の対応や日本全体の動きに失望し、自らで立ち上がろうとする気持ちの表れというか、、
県民のそういう力強さみたいなものをあちこちで感じた。明らかに今までの福島とはどこか違ったように思う。
大阪から福島へ向かう高速道路では、前がよく見えないほどの豪雨だった。
とても怖かったけれど、人々になにか思い出させるための雨なのではないか、と思った。後で聞いたら朝は福島でも豪雨で、このままじゃ中止なんじゃないかと思ったほどだそうだ。
現地に着いた頃、ちょうど黙祷がはじまる前だった。
雲の切れ間から光が差しはじめて、快晴になった。
今年は例年よりも多くのメディアが来ていた。
その前でジュンさんは挨拶で
「メディアの皆さんは福島の現状をちゃんと伝えてほしい。」
と言った。
そして、今年も福島の皆さんに
「謝りに来ました。ごめんなさい」
と言った。
東京の電力のために犠牲になった福島への謝罪の気持ちを代弁してくれた。
行ってみると本当によくわかるのだけど、福島には美しい景色と美味しいものがたっくさんある。数年通って、そういうものにたくさん出会ったのだから、全てがなくなったわけではないのだ、と今思う。
関東からも近い。近いから僕も日帰りで毎月のように通えているのだ。
近郊の方はぜひ観光で訪れてみてほしい。
俺がじいさんになっても、福島には唄いに行きたいと思っている。
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