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#東京差別 という言葉は、どうして生まれたのか?

皆さん、こんにちは!社会問題と向き合う人のクラウドファンディング GoodMorning(CAMPFIREのグループ会社)ファンドレイジングプランナーのてっちゃんです。現在、沖縄に生きるすべての子どもたちが誰一人として見過ごされず、包摂される社会を実現するために、仲間と一緒に沖縄での事業の立ち上げに向けて、準備を進めています。

今回は先日、東京都がGoToトラベルキャンペーンの対象外になったことを受け、TwitterのTLを埋め尽くした  #東京差別  という言葉が持つ強い違和感について、自分なりに考えたことを書きたいと思います。この言葉はどうして生まれたのか?誰が叫んでいる言葉なのか?みなさんが感じていることも、ぜひ聞かせていただけたら嬉しいです。

1. GoToトラベルキャンペーン、東京が対象外に

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新型コロナウイルスの拡大に伴い打撃を受けた観光業界を支援することを目的として、国土交通省が実施するGoToトラベルキャンペーンについて、7月17日(金曜日)に赤羽一嘉国土交通相が記者会見をし、東京都を発着する旅行が当面の間、支援の対象外となることを発表しました。

上記により生じることが予想される宿泊等のキャンセル料について、以下のように説明し、国として一切補償しないことも表明しており、強い批判が集まっています。ただ、今回は政策の是非については、一旦置いておきます。

緊急事態宣言の時も同じ問題が起きた。基本的には皆様、それぞれの立場で大変ご苦労されているのでルール通りということでお願いをした。実際にはこうした状況だからとキャンセル料をとらなかった現場があり、取られた現場もあった。そうした自然な形で行ってもらえると考えている。中小規模の旅行業者の皆様は大変な状況になっているので、いささか無理がある。皆様苦しい中で、対立構造は作らずにお互いが上手くいくようにという思いを貫いていきたい。
(『GoToトラベル、対象外で生じるキャンセル料は補償せず 赤羽国交相「対立構造は作らず自然な形で」』ANNニュース)

2. TwitterのTLを埋め尽くした #東京差別 という言葉

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東京都が対象外になったことを受け、TwitterのTLを埋め尽くした言葉がありました。それは  #東京差別  という言葉です。「東京だけ」という政府の場当たり的で、中途半端な政策への皮肉かと思いきや、「人種差別」などの本来的な「差別」の意味合いで、この言葉が飛び交っていました。

みなさんは  #東京差別 という言葉を聞いて、何を感じましたか?僕はこの言葉と初めて出会ったときに、普段耳にする「差別」とは異質な感覚と、強い違和感を覚えました。

ジョージ・フロイドさんが白人警官の暴力で命を落としたことが世界的に話題となり、多くの個人や企業が "Black Lives Matter" と意思表示をした「黒人差別」や、元施設職員の植松聖被告が障害者施設に侵入し、刃物で入所者19人を刺殺した相模原障害者施設殺傷事件で、植松聖被告が取り調べで "生産性" の議論を持ち出したことで話題に上がった「障害者差別」

このような「黒人差別」や「障害者差別」と、東京都がGoToトラベルキャンペーンの対象外になったことを受けて生まれた #東京差別 という言葉を、「差別」という言葉で一括りにし、並列で考えることに強い違和感を感じました。それでは、この違和感はどこから湧き上がるものなのか?そして #東京差別 という言葉は、どうして生まれたのでしょうか?

3. #東京差別 という言葉は、どうして生まれたのか?

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まずは #東京差別 という言葉は、誰が叫んでいる言葉なのか?から考えていきます。TwitterのTLを見ていると、匿名で投稿している方がほとんどなので確かな根拠はありませんが、投稿内容を見ていると恐らく東京都にお住まいの方が多かったのではないかと思います。そして、GoToトラベルキャンペーンの対象となる地方に対して、東京都のみが対象外となったことを #東京差別 と叫んでいました。

このことに、どうして強い違和感を覚えるのか?それは恐らく、東京都がそれ以外の事柄について、地方と比較すると圧倒的に「持つ者」だからではないかと思います。

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東京都は経済や情報が一局集中しているだけではなく、地方に普天間基地の移設問題や原発事故の問題等の社会問題を押し付け、抑圧や差別をしてきた歴史があります。間違いなく東京都は地方と比較すると、圧倒的に「持つ者」です。その東京都が「持たざる者」とされている地方に対して、少しでも不利な立場に置かれたときに、「私たちは差別されている」と被害者になることで、これまで地方に対して行った抑圧や差別を清算し、自分たちの立場を無意識に守っているのではないか?と感じます。

故に、持たざる者とされている黒人の方や障害のある方が受けた「差別」と並列に考えると、強い違和感を感じるのではないかと思います。

僕は高校生の頃、サッカー部でいじめを受けていました。お小遣いで買った購買のパンは気づいたらバックの中から消えていたり、自身の容姿をバカにされたり、練習後のグラウンドを一人で整備したり、そんなことは日常茶飯事でした。そのとき、いじめっ子(持つ者)に少しでも僕(持たざる者)何かを言い返すと「悪口を言われた」と被害者面をされ、より一層強い言葉で罵声を浴びせられました。

この #東京差別 という言葉に、僕自身が強い違和感を感じるのは、僕が日本の沖縄に対する抑圧や差別に強い課題意識を持っているからだけではなく、高校時代の原体験も影響しているのかもしれません。つまり、何が言いたいのかというと、この感覚は共有のものではないということです。

4. 労なくして得られる優位性

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この社会に存在する事象を見つめたり、考えたり、語ったりする際に、非常に重要な考え方があります。それは「特権」という考え方です。「特権」とは労なくして得られる優位性、と言い換えることができます。例えば、あなたがデパートの公共トイレを利用しようと思ったときに、男性用トイレを使うか、女性用トイレを使うかで迷ったり、困ったりしたことがない場合、あなたはその「特権」を有しているということです。

#東京差別 という言葉を聞いて、その言葉の持つ強い違和感や孕む危険性について、もしあなたが特に考えたり、怒ったりしなくても済む立場にいるのであれば、それはあなたがその「特権」を有しているからかもしれません。

自分自身が有する「特権」について考えることとは、自分自身は何者なのか?に向き合うことであり、それと同時にこの社会を正しく見つめることだと思います。そして、自分自身が持つ「特権」を自覚することこそが、この社会から抑圧や差別、それに伴う自己責任論を解消していく、第一歩になり得ると心から思います。

例えば、新型コロナウイルスの感染拡大によってどのような影響を受けたのか?また受けなかったのか?それはどうしてなのか?を一つひとつ考えていくと、自分自身が何者なのか?どのような「特権」を有しているのか?を自覚できるきっかけになると思います。

その上で、あなたは #東京差別 というワードに何を感じますか?みなさんが感じていることも、ぜひ聞かせていただけたら嬉しいです。

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