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神社仏閣とマンガ・アニメ

僕の趣味の1つに御朱印めぐりがある。御朱印をいただく神社仏閣は初めて訪れる場所が多いが、その町を歩いてみるのも好きである。特に歴史が好きな僕は、その土地が昔はどうだったのか想像しながら歩いてみると、とても楽しい。

同時にその場所が、わりとマンガやアニメの聖地である場合も多いし、神社がマンガやアニメとコラボしているものも多い。まだまだ、アニメやマンガとのコラボに違和感を感じる人もいるだろうが、僕はこれに好意的だ。そもそも神社はそこに謂れのある神や人物の霊や自然の精霊などを祀ったり、またはその場所にうつして地元の人々が祈るもの。神や霊は実態がないのだが、人々が思い思いに想像し祈る。寺院もそうで、仏像などは仏を形にしたもの。僕はそんなに宗教について詳しいわけでもないが、たぶん偶像崇拝というものだろう。寺社は神仏を偶像化し(神や仏の絵や彫刻・言葉や物語などで)人々とつなげるのだ。

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高尾山薬王院の天狗様。これも「キャラ」ですよね。

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「四谷怪談」は実際にあったらしい事件を、江戸時代の作家・鶴屋南北が怪談にアレンジ。日本中で有名になり「お岩稲荷」がつくられる。東京都新宿四谷の陽運寺には「お岩様の井戸」が祀られているが、これもキャラ化というかシンボル化である。

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藤沢の白旗神社の牛若丸様、愛おしい。

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茨城県小美玉市に鎮座まします素鵞神社の御朱印はマンガ・アニメっぽいのですが、アートとしても人気がある素戔嗚尊(スサノオ様)と櫛稲田姫様(くしなだ様)が描かれています。

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群馬県高崎市の於菊稲荷様、お菊ちゃんの生き方は尊敬できるし、このささいな神社の絵に癒しと神の存在を感じます。

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座敷童子様は信仰してますので、神奈川県茅ヶ崎市の鶴嶺八幡様へ。近くにあるかわいい風車とともに、座敷童子様が近くにいそうです。

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神奈川県秦野市の白笹稲荷神社では、おキツネさんをモチーフにした「白笹すずな」お守りももらえます。漫画家がキャラを書いた神社は日野八坂神社様もそうですね。

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八王子の日蓮宗・了法寺様はHPもこんな感じだったと。

…このようにその町には、ふだんの日常とはまた別の、数多くのデザイン・かわいいやかっこいいがあふれている。

(続き)

その偶像崇拝の元となったのが縄文時代だったか、土偶がそれではないかと思っている。精霊崇拝をアニミズムと聞いたし、このアニミズムが日本の八百万の神のもとになったと思うし、アニメという言葉の語源だと聞いたことがある。つまり、神とアニメは同じ、ぶっちゃけて「アニメオタク=物語と推しキャラ(神仏と神話)を崇拝する信者」と同じかと思う。極論かな。

だから生きることに迷った僕はこういう様々な話を胸に宿し、マンガやアニメにさまよった。さまよって良かったと思っている。信仰は自由だ。聖地巡礼万歳。たまに聖戦とか行われているのかな。隠れキリシタンのようにひっそりと信仰するが。

さて、神社仏閣もその真理を僕以上に理解してくださっているのだろう。このコラボぶりがとてもありがたい。いくつか僕が巡ったものを紹介しようと思います。

まず、「身延山久遠寺」かな。あfろ先生の「ゆるキャン△」の舞台が身延で、身延山にも「ゆるキャン△」のキャラの立て看板やお土産品、キャラボイスによる身延山の紹介。そして御朱印帳があった。その他、身延線周辺では「ゆるキャン△」のコラボの場面が多く見られる。

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次に、「亀有香取神社」。ここには秋本治先生の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」と高橋陽一先生の「キャプテン翼」の看板と絵馬が置かれている。キャプテン翼は世界中でも多くのサッカー選手をつくってきた作品。サッカーファンの参拝客も多いのだろうか。

東京都墨田区曳舟駅近くの高木神社。「高皇産霊尊」(たかぎむすびのかみ)様を祀っているが、シンボルマークの「おむすび」お守りも人気。この神様は天照大神の下で「生産・生成」の神様。えんむすびの神様ともいわれるが、おむすびとともに洒落…?と思われる。しかし、こじつけているようにも思われない。日本人にとって「おむすび=米=生産」ですし。で、ここでは山本崇一朗先生の「からかい上手の高木さん」の御朱印帳が売られており、「高木さんスタンプ」も押される。こじつけではない。高木さんと西片くんは「縁結び」の物語だし。

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秩父にある大慈寺は、アニメ「あの花」「空青」とともに秩父三部作(超平和バスターズ作品)のひとつ、「ここさけ」こと「心が叫びたがっているんだ」の舞台。絵馬やグッズが売られており、近くにはアニメにあったバス停も設置されている(実際のバス停としては利用できません)。秩父一体となってこれらの作品を推しており、秩父各地にはグッズや立て看板、のぼりなどのキャラが皆様をお待ちしております。。

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石岡の常陸国総社宮。ここは大手塚こと手塚治虫先生の御先祖の出身。特に御先祖様の医師・手塚良仙・良庵は名作で僕の聖書でもある「陽だまりの樹」の主人公の1人。今年は「陽だまりの樹」の40周年であるため限定御朱印をどうしても欲しく、行ってしまった。大手塚の作品、特にここには日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が座ったとされる神石がありますため、「火の鳥・ヤマト編」のオグナのお守りなど、たくさんのグッズがある。入るだに素晴らしい雰囲気に圧倒されコロナ禍の中でも「来て本当によかった」と心からふるえてしまった。オグナと火の鳥の大きな立て看板もあり、大手塚様も祀られているように思えました。

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(とりあえずここまで。まだまだ追加の予定。)

学問的に聖地巡礼の経済効果を研究しているところもあるし(「ゆるキャン△」の経済効果を山梨大学が調査)、アニメツーリズムは政府も進めている経済政策。茨城県大洗町は「ガールズアンドパンツァー」が2012年に放映され大きな経済効果をあげたため、東日本大震災の影響の中で人々を救うほどのものだったと言えるのかもしれない。いっそ熱海にある明治の文豪・尾崎紅葉作「金色夜叉」の「貫一お宮像」のごとく、マンガアニメの銅像がどんどん建つのもありだろう。実際に宮城県石巻駅の前の通りには数々の石ノ森章太郎先生の作品が、東京都葛飾区亀有駅や各地に秋本治先生の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の両津勘吉像が、などなど地元の名作マンガはその町のシンボルとして銅像となり、地元民や訪れる人々に愛されている。

町歩きをしながら、その町の歴史を感じてみたりするのが好きな僕にとり、聖地巡礼はさらにその町の魅力を感じるのに素晴らしい楽しみを与えてくれる。






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