試合終了のホイッスルが鳴るまで

令和2年度 第99回全国高校サッカー選手権大会京都大会 兼 京都高校サッカー選手権大会3回戦が10月25日に向陽高校他で行われた。3回戦屈指の好カードである福知山成美vs京都学園は予想通り1点を争う好ゲーム。

この日は、予定があり観に行けたとしても後半からであったが、思いのほか早めに終わったのでなんとかキックオフに間に合った。保護者ではないので、勿論フェンスの外からの観戦。それでもピッチからひしひしと伝わってくる緊張感。

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初戦の紫野を9-0と圧倒的な力を見せつけて勝ってきた京都学園。

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2回戦屈指の好カード、両洋戦を4-2で競り勝った福知山成美。

いつもの選手権と違う会場の空気感。

太鼓の音も無ければ声援も聞こえない。

静寂に包まれたピッチ。

緊張感は最高潮に。

キックオフ

試合序盤は両チームとも慎重な立ち上がり。特に京都学園は福知山成美のオリオラサンデーを自由にさせないよう守備陣全員で警戒していたように感じた。

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それだけ、このサンデーという男は危険だということがよくわかる。京都学園は常にマークを付けてしっかりと対応。チャレンジ&カバーで身体能力を活かした突破を簡単にさせていなかった。

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その中でも特にサンデーの近くで奮闘していたのがアンカーの山本拓海(佐川滋賀FA)だった。いつもなら軽快にボールを散らし、チャンスになれば相手陣内深くまで顔を出すことも。しかし、この日は自分の頭をボールが行き来する展開が多く、ボールに触れる時間が少なかった。初めからそういう戦術だったのか、結果的にそうなったのかはわからないが、サンデーを抑えることに重きを置いていたようにも思えた。前半は膠着状態が続く中、京都学園の畑恭輔(朱六FC)のテンポ良いワンタッチパスからサイドに展開し、吉岡樹(久御山バイソンズFC)などが何度か突破を図るがゴールを決めるまでには至らない。

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対する福知山成美もサンデーが封じられてたこともあり攻めあぐねていた。

後半に入っても同じ展開がしばらく続く。まさに我慢比べ。

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それでも時折会場を沸かせるプレーも。

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観てるこちらが苦しくなるような試合展開であったが、後半30分に八尋ケンジ(ヴァレンティアFC)がフリーで受けて冷静に決め、ついに福知山成美が均衡破る。京都学園は田中恒輝(紫光FC)や上田隆太(KONKO FC)らを投入し同点ゴールを狙う。試合終盤、何度も福知山成美ゴール前に侵入するが、福知山成美GKの安達俊輝(ヴァレンティアFC)が身体を張ったプレーで京都学園の猛攻を凌ぐ。何度もロングスローでゴール前に迫るが決めきれない。

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必死で跳ね返す福知山成美守備陣。残り5分ほどの両チームの攻防は観ていて本当に胸が熱くなりました。ベンチから戦況を見つめる控え選手も含めて、何としても勝ちたいという気持ちが、観てる人の心を惹きつける。全国に行きたいという気持ちだけでなく、少しでも長くこのメンバーで一緒にサッカーがしたいという気持ちが、フェンスの外まで伝わってきた。

そして、試合終了のホイッスル。

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雄叫びを上げる井口駿(修学院中)。仲間のために最後までよく走りきった。そして何より、2回戦で対戦した両洋のある選手と試合後に交わした約束を果たすことが出来た。彼らの分もこのまま勝ち続けるという強い気持ち。背負ってたものから一瞬解放されたシーンですね。

試合終了のホイッスルは次の戦いへの合図。

京都学園の選手はこれで一先ず高校サッカーに区切りをつけることに。これだけの戦いを魅せてくれましたので、きっと新しいステージでも頑張ってくれると思います。

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そして、勝った福知山成美はまた良いゲームができるようしっかり調整して、4回戦に向けて臨んでほしい。

両チーム、感動をありがとう。

4回戦 11/1(日)

@洛北高校

京都外大西vs福知山成美

12:00キックオフ




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