2023.5.16

今年の3月、仕事を辞めた。理由はいくつかあるけど、このタイミングで辞めないと後悔してしまいそうだったのが一番の理由で、辞めたら辞めたで後悔しそうだな、とも思ったけれど思い切って辞めた。今後お金のことで苦労することは目に見えてたけど、それでも決断できたことが嬉しかった。
情けないけど、僕にとって人生で初めてちゃんと決断して何かを辞めることができたので、それだけでも良かったなとか思ってる。

仕事を辞める前に幾つかの転機があった。自分でも驚くくらい前向きに物事に向き合ったり、向き合おうとしたりしていて、他人事のように大人になったなとか感じていた。

コロナ禍になって割とすぐ自ら初めて就職をした。あの時期はまだ楽器を持っているだけで白い目で見られたり、バンドをやっていると言うだけで煙たがられたりしていたのに、僕のことを無理にでも拾ってくれた会社の人には本当に頭が上がらない。たった3年で辞めてしまったことも申し訳ない気持ちでいっぱい。
でもこんな風に感謝しながら仕事を出来たり、辞める時に迷惑をかけてしまったなとか感じたりできたことが嬉しかったり、そういう場所で働けて良かったなとか思ってる。

月日は遡って、就職してすぐに実家を出た。8月に就職して10月には家を出た。今思うと何をそんなに焦ってたんやろ。
昔一度、家を出たことがあったけど、大失敗したことがあって、ちゃんとした一人暮らしは初めての経験で、仕事場から若干遠くて、地元から少し離れた場所で暮らし始めた。

一人暮らしを始めて、安定した収入があったお陰で、周りに迷惑を掛けつつも何とかなってた。それもあって実家に帰ることも少なかった。

たまに実家に帰っても何となくもう自分の家じゃない感じがして、居心地が悪かった。おかんは泊まっていったら?というけど断ったりして、半日以上実家で過ごすことはなかった。

兄弟全員が家を出て、実家にはおかんしかいないのを複雑な気持ちでいた。
おかんは家族がいない家で寂しく無いんかな、とかよく考えてた。今でも考えたりする。昔から身内とか友達が一人でいる姿を見るのがしんどい。優しい性格とかじゃなくて、俺のことを思って、楽しくいて欲しいまで思う。なるべく誰かと笑って過ごして欲しいし、誰にも騙されず悲しい思いをせずに過ごして欲しい。

月日は流れて、おかん一人で暮らすには広すぎた実家を引き払うことになったらしく、おかんは一駅先の一人暮らし用の家に引っ越した。僕の場所としての実家は失くなった。

たまに『年末年始、実家でゆっくり出来る人ってどんな神経してるんやろう。そこがちゃんとホンマの意味で自分の家やって思えてるんかな。』とか思ったりする。兄弟で仲良いってどんな感覚なんやろうか。不思議に思う。

実家が失くなって、それとは関係なく、僕はまた違う街に住むことになった。まだ色々慣れてないから自分の家って感じもせえへん。眠いはずやのに夜中に目が冴えて近所を散歩したりしてる。夜中の散歩によって、家から1番近いコンビニの店員は今まで出会ったコンビニ店員で1番やる気ない人ってことだけ分かった。やる気出さんでええけど、レジですみませんって大きい声出さんと来てくれへんのだけやめて欲しい。

実際に住んでる家はあるのに、自分の帰る場所がないって感じることがあって、前まで住んでた街を離れてしまってから恋しく感じている。

束の間のニート生活を満喫してるわけやけど、2ヶ月以上のニートは心にも身体にも悪い。成人男性の理想の平均歩数が9200歩に対して700歩くらいしか歩いてへん。働きたくなった。就活しよ。

免許を取る為に住民票を発行してもらったけど、本籍地が17歳まで住んでた家やった。何とも言えへん気持ちになった。

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