ガワをとりこむ(木村拓哉)
1/27(金)放送のTBS「A Studio+」で、ゲストの木村拓哉は、トークのなかで、「TMC」「TMC」と連呼していた。
「TMCの今回の楽屋にこれてうれしかった」
「マイケルジャクソンがケンタッキー食べたとこですよね」
「おおーと思って気分がアガッた」
みたいなことを言っていた。
TMCなんて言われても、私ら一般人はわからない。
東京メディアセンターという、世田谷区砧にあるスタジオの略称らしい。
それを、あえて連呼する。
その狙いは。
TMCの人がうれしいじゃない。
番組を裏で支える、スタジオ。
これまで、あまたのゲストが、番組の「A Studio」に出られてうれしい、と言っていたが、撮影スタジオについて語ったゲストは、記憶にない。
そんな、裏方で、当たり前すぎるスタジオについて、あえて光を当てる。
有名人なんかいっぱい見てるスタジオの人々や、ご近所さんまで含めて、「おっ」とうれしくなるだろう。
木村拓哉という人は、そういう人だ。
ファンや、中心人物を、わざわざ持ち上げるより、
ふだんは話題にもならない、外側のスタッフや、裏方に言及する。
スタッフも裏方も、一般人である。同じ人である。
そういう人々が、ぐっと、うれしくなって、木村拓哉を好きになる。
オムレツや、お好み焼きを焼くときに、
フライパンの外側がきれいに焼けてきたところで、
周りから丁寧にはがし、
フライ返しですくって、ひっくり返す。
それを思い出した。
ガワからきれいにとりこむと、全体がきれいに焼ける。
一方で
オムレツの真ん中=ファンとかMCとか だけをケアして
ひっくり返そうとしても
周囲がフライパンにはりついたまま、ズボッと破れて、汚くなってしまう。
オムレツを焼く場面では、当たり前の、「ガワからとりこむ」ということを、トーク番組で実行し、面白トークに昇華できる人は、そうはいない。
同じ番組で、以前、内田有紀が、自己中な態度を見せたのを、ノートに書いたことがあるが、普通はそんなものだ。
木村拓哉は、今回だけではない。
毎回、何がしか、ガワからとりこんでいる。
今、映画のプロモーションで番組に出まくっているが、
どこでも、ちょっと意外な視点で、期待をこえるトークをしている。
自分はもともと、アンチ木村拓哉であった。
勘違いしている感じが嫌で、テレビに映るとすぐチャンネルを変えるほど、きらいだった。
けれど、あるとき、自社商品を、うまいこと、ハプニング的なトークの中で盛り上げてくれたことがあった。
メーカー側としては、なんということもない日用品を、特別なものにしてくれて、とてもありがたかった。
それ以来、ちょっとリスペクトして、言動を追うようにしている。
ドラマや映画に出ているのは、興味がないので見ないけれど、
バラエティやトークで、こんなとき、どう言うかな、というのを注目していると、興味深い。
「A Studio+」でも、思わず自分で、ものまねしたフレーズがあったのだが、なんだったか忘れた。
TVerで再確認しようとしたら、あら、「A Studio+」って、TVerでやってないのね。もったいない。