見出し画像

フェイクニュース時代の選挙情勢報道

おととい(9月23日)、サンケイスポーツの社会面に小池新党の議席数が一桁にとどまる可能性もあるとした自民党の選挙情勢調査の結果が特ダネとして掲載されていた。

“小池新党”議席数1桁止まり!?自民の情勢調査「5-10」と予測(サンケイスポーツ) 

この記事の存在を知ったのは、たまたまテレビをつけながら仕事をしていて、TBS「ひるおび!」の新聞コーナーで紹介されたのを見かけたのだが、現時点での情勢も気になるところだが、この時期に政党の内部調査がやすやすとスポーツ紙に“流出”した背景こそ興味深いところだ。

前提として知っておきたいのは、朝日や読売などの一般紙では、政党の内部調査の数字について、部分的に言及されることはあっても、ストレートニュースで掲載されることは原則ない。この時期は、まだ本格化させていないが、自前の情勢調査をやっていることもあるが、特定政党の調査数字を大々的に紹介することで読者にある種の「予断」を与えることに対する抵抗感があるからに思える。

このことは裏を返せば、政党側にとっても、自党が有利な情勢が報道機関を通じて出た場合には、「空気」を作ることができる。そして、もちろん、リークする側も、一般紙では大々的に取り上げられないことは熟知している。だからスポーツ紙や夕刊紙、週刊誌などの大衆メディアの政治記者に情報を提供するのだ。

今回の場合、リークした自民党関係者も、サンスポの記事がテレビの情報番組で紹介されるとまでは計算していたかは微妙なところだ。おそらく「ラッキー」だったと思っているはずだ(笑)もちろん、スポーツ紙が売れないご時世にあって、サンスポだけの掲載だけを期待していたわけではあるまい。少なくともネットニュースに配信されるところまでは想定していただろうし、これが民間企業の広報やPR会社の関係者なら、そこまで普通は計算する。

では、このタイミングでサンスポへのリークがなぜなされたのか。私は自分の経営する会社でPR系の仕事もしているが、その背景を考えるうち、PR業界のある仲間から聞いた面白いフレーズを思い出した。

(続きは有料です。DMMオンラインサロン「新田哲史のニュース裏読みラボ」でも全文公開中です)

ここから先は

1,847字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?