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港(port)を/から読む(3):釜山港を通して

ご訪問ありがとうございます。本日、港(port)を/から読むシリーズのその3で、釜山港を通して考えてみます。

釜山港に2回行ったことがあります。

釜山港


釜山港(プサンこう)は、大韓民国の慶尚南道釜山広域市にある港です。大韓民国最大の規模と貨物取扱量を誇る港、世界トップクラスのコンテナ貨物におけるハブ港湾へ成長しており、コンテナ取扱量世界第5位の港湾となっています。 


釜山港が日本人に広く知らされているのは、韓個人歌手のチョーヨンピル(조용필)氏の「돌아와요 부산항에(釜山港へ帰れ)」が一つ大きなきっかけだと考えられます。

所持しているチョーヨンピル氏のCD


「釜山港へ帰れ」(1972年)は、黄善雨が作詞・作曲した大韓民国の歌謡曲(トロット)です。日本では渥美二郎がカバーしたものが有名です。


昨年6月のさっぽろ自由学校「遊」の市民講座で、「越境する人と文化を通して読み解く東アジアー越境する音楽と歌を通して」というテーマで報告しました。その際に「釜山港へ帰れ」についても紹介し、多くの感想が寄せられました。


北海道新聞記事

余談の話ですが、まだ日本語学校に通った1997年、年末の歌謡祭で韓国語で「釜山港へ帰れ」を歌いまして、大きな拍手を受けたことがまだ記憶に新しいです。20数年前のことを持ち出すのは、決して自画自賛ではありません。


このnote記事全体のねらいもそうですが、ひとまず、今書き進めている「港(port)を/から読む」シリーズのねらいは、地域の資源を掘り越して、地域と地域を結びつけることです。


昨年の記事え、「平和資源」について数回言及しました。

「平和資源」とは?

文化人類学者の小田博志氏は、「平和資源」を他者との平和な関係性を形成するために有用な道具、能力、思想、人物、施設、メディア、ネットワークなどの総称と暫定的に定義しています。

私は、「釜山港へ帰れ」は、「平和資源」だと思います。釜山港を訪ねた際はもとより、「釜山港へ帰れ」を聴くたびにますますそう思うようになりました。


参考文献
小田博志『エスノグラフィー入門――<現場>を質的研究する』春秋社、2010年。


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