詩人尹東柱(ユン・ドンジュ)を通して読み解く東アジア
ご訪問ありがとうございます。
本日、詩人の尹東柱(ユン・ドンジュ)ついて紹介します。
1917年、中国東北部の北間島省和龍県明東村(現在の中国東北部朝鮮族自治州)に生まれました。中学在学中から詩を発表し始め、1942年に日本へ留学。同志社大学文学部に在学中の1943年7月14日、朝鮮語で詩を書いていたことを理由に、独立運動の疑いで逮捕されました。裁判の結果、治安維持法違反で懲役刑を宣告され、福岡刑務所に投獄され、1945年2月16日に収監先で生涯を閉じた。享年27歳。
京都の同志社大学にある尹東柱詩碑の表は「序詩」が刻まれ、裏面には詩碑建立の主旨文が刻まれています。
没後3年後の1948年、弟・一柱らの編集でソウルで遺稿詩集「空と風と星と詩」が刊行されました。1968年年、延世大学校内に詩碑が建立され、1995年には没後50年を記念して同志社大学にも詩碑が建立されましたた。2000年、かつて尹東柱が暮らした延世大学校内の寄宿舎に記念室が開館しました。
2016年に尹東柱(ユン・ドンジュ)の生涯を映画「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~」が公開されました。
ユン・ドンジュ役の韓流スターのカン・ハヌルが主題歌「自画像」を自ら歌い、関心を集めています。
尹東柱が亡くなった70年を過ぎた後でも、尹東柱の詩は、韓国と日本、そして中国で、読まれ続けています。
「尹東柱を偲ぶ会」や「尹東柱の詩を読む会」などが国境を越えて多く形成されつつあります。
そのなかで、私が特に注目しているのは、かつて尹東柱が短期間留学した立教大学でのさまざまな活動です。たとえば、下記の立教尹東柱学生交流会の活動です。
尹東柱を追う旅を継続していき、また報告します。
参考文献&サイト
・茨木のり子『ハングルへの旅』朝日文庫、1989年
・金時鐘編訳『尹東柱詩集:空と風と星と詩』岩波文庫、2012年
・金信貞「尹東柱」板垣竜太・鄭智泳・岩崎稔編著『東アジアの記憶の場』河出書房新社、2011年、166-191頁。
・熊木勉「尹東柱の詩とその根底にあるもの」『福岡大学研究部論集 A:人文科学編』18巻2号、2018年、133-145頁
・多胡吉郎『生命の詩人・尹東柱:『空と風と星と詩』誕生の秘蹟』影書房、2017年
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?