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ミニバレーを通して読み解く東アジア
こんにちは。テツジンです。
前回まで、麺の文化史について5回紹介しました。
食文化について、まだまだ紹介したいことが多く、今後また順次紹介したいと考えています。
7月23日の夜、オリンピックが開幕しました。それに合わせまして、一つスポーツ関係の事例を紹介したいと思います。
ずっと温めてきたテーマです。
北海道発祥のニュースポーツのミニバレーに着目して、東アジアを読み解いてみたいと思います。
ミニバレーとは?
ミニバレーは、1972年(昭和47年)に北海道大樹町で考案されたスポーツです。考案者は、当時大樹町教育委員の小島秀俊氏(現在、一般社団法人全日本ミニバレー協会会長)です。
小島秀俊氏は、「ママさんバレー」の指導に行き詰まり、化粧品宣伝のビーチボールにヒントを得てバレー型式のゲームを考案しました。「手軽に出来て楽しいスポーツをしたいという希望に応えたい」という強い思いで、試行錯誤を経て町民に人気のニュースポーツを誕生させました。
ミニバレーと命名したのは、「コート広さ(6人制バレーの1/3のコート)やネットの高さ(1.55M)、人数が4人、得点は11点などバレーボールのミニ版です。当時ミニスカートなども流行していて「ミニ」 ということばの語感の良さが、決め手になりました。
ただ、「ミニバレーボール」としなかったのは、バレーボールとは一味違うこと、大樹町発というオリジナリテイーを強調したいというこだわりのためでもありました。
ミニバレーは、大樹町技となっています。
軟らかい専用のボール、誰にでもわかる簡単なルール、安心してできる低いネット、人数や運動量を考慮したコートの広さなど、大衆スポーツとしての様々な工夫により、年齢や性別をこえて手軽に楽しめるスポーツとして、全国的に普及しました。
2006年第18回ジャパンカップに参加する
世界各地から来日したミニバレーの愛好者たち
近年は愛好者も婦人層から少年、青年、高齢者と全般に広がり、レクリエーションスポーツとしてばかりでなく、競技スポーツとしても高い人気を得てます。また、来日した外国人たちもミニバレーを楽しんでいます。そして、韓国や中国、そしてロシアなどの海外でも愛好者が増えています。
私は学部生時代の2000年、恩師の須田力先生(北海道大学名誉教授)の紹介でミニバレーと会いました。それ以来、語学力を活かして、微力ながらミニバレーの海外普及事業と国際交流事業にかかわってきました。
贅沢な体験です。
ミニバレーの海外普及に合わせ、ルールブックの外国語版(英語版、ロシア語版、中国語版)もできました。私は2004年にミニバレー中国語版ルールブックの翻訳を担当しました。
特にロシアと韓国での普及事業が進んでおり、ロシアと韓国では、大会が行われる規模までになりました。
ここで特筆すべきことは、
ミニバレーは、北海道と姉妹・友好提携のある韓国慶尚南道、中国黒竜江省、そしてロシアサハリン州との交流を促進しました。
具体例を二つあげます。
一つは、2014年にミニバレーは、北海道発祥のスポーツを韓国に紹介する事業、高齢者の社会参加を促す国際協力のモデルとなる事業を支援する、
「日韓新時代モデル創出事業」
として選ばれて韓国普及が始まりました。
私は、この「日韓新時代モデル創出事業」において、ミニバレーを通した北海道と慶尚南道との相互交流に3回参加しました。
「日韓新時代モデル創出事業」
ミニバレー交流についての韓国の新聞記事
もう一つ、ミニバレーは、北海道と黒竜江省とサハリン州の三地域のスポーツと選ばれまして、2019年3月4~8日、黒竜江省ハルビン市で、三地域ミニバレー交流が行われました。この交流に私は中国語の通訳として参加しました。
北海道と黒竜江省とサハリン州
三地域ミニバレー交流の場面
交流の現場で、私は地域間交流の温かい場面を何度も目の当たりにしました。
よく音楽とスポーツは、軽々と国境を超えていくと言われています。
確かにそうです。この20年間、ミニバレーが軽々と国境を越える姿を見てきました。
私は、これからもミニバレーが地域と地域を結びつけ、地域間の人々の交流促進の役割を果たし続けることを願っており、微力ながら貢献したいと考えています。
参考資料
・一般社団法人 全日本ミニバレー協会公式ホームページ
https://www.minivolley-japan.net/
・北海道大樹町ホームページ
https://www.town.taiki.hokkaido.jp/soshiki/shakai_kyoiku/shakai_taiiku/mini_taiki.html
・北海道庁公式ホームページ
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tsk/sanntiiki-new.html
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