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料理は愛情、手順書も愛情

この記事は、スタディスト Advent Calendar 2019 20日目の記事です。

はじめまして、スタディスト カスタマーサクセス部マネージャーの須藤です。

Teachme Biz for Salesforce の事業責任者をやっているtk(Toshimitsu Kimoto)からAdvent Calendarへのお誘いを受け、遅ればせながらnoteデビューです。

私はいまカスタマーサクセス部門において、手順書の作成支援や浸透定着に関するコンサルティングっぽい仕事を担当しています。

これまでのスタディストでのキャリアを振り返ると、関西オフィスの立ち上げ→地方銀行様ビジネスマッチング事業の立ち上げ→カスタマーサクセス オンボーディングプロセスの立ち上げ→コンサルティング事業の立ち上げ、といった感じで社内の「立ち上げ係」みたいな役回りで営業からCSまで幅広く担当してきました。ちなみに、最近また新しい立ち上げ係にアサインされ、いまからとても楽しみです。

さて、今回はコンサルティング事業のひとつである手順書の作成に関するお話をしたいと思います。

「手順書・マニュアル作成」との出会い

まず、私が初めて手順書やマニュアル作成に携わることになったのは、新卒で入社した某大手金融機関での仕事でした。当時、商品開発部門に配属された私は営業部門向けのマニュアル作成を命じられ、朝から晩までWordとの格闘&格闘&格闘。そして、数か月間かかって辞書みたいな分厚いマニュアルをなんとか完成させることができました。当時は嬉しくて無駄にデスクの上において飾っていたのを憶えています。

数年後、私は営業部門に異動となり、ある事実を目の当たりにします。飾ってあったのです、営業部門のオフィスに私がつくったマニュアルが。

そう、本当に飾ってある「だけ」。

飾ってある ≒ ただ置いてある ≒ 見られていない ≒ 十分に活用されていないという衝撃の事実に打ちひしがれ「苦労してつくったマニュアルも見られないとまったく意味ないよね」と痛感したわけです。

これが私のマニュアルに対する原体験(暗いですね)。

Teachme Bizとの出会いと作成支援事業の立ち上げ

もはやここでは詳しくは書きませんが、Teachme Bizとの出会いは本当に衝撃でした。「こんな便利なものが世の中にあったのか!新卒時代に出会いたかったよ!」本当にそう思いました。↑の通り、手順書やマニュアルに対する原体験があったからこそ余計にそう感じたのかもしれませんね。

そして、誘われるままスタディストにジョインし営業やカスタマーサクセスのメンバーとしてお客様のご支援をしていくなかで、あることに気がつきます。一言に手順書・マニュアル作成といっても、その実とても奥が深いということです。

Teachme BizはBtoB Saasなわけですが、少なくとも「ITツールを導入してはい終わり」みたいな世界観で効果を発揮するものではないと思っています。計画して、作成して、閲覧浸透を促し定着させていく、そして効果を測定して次の展開に活かしていくといったような一定の王道プロセスがあることがわかってきました。

なので、それを体系化して是非お客様にもお伝えしていきたいということになり、コンサルティング事業、さらには手順書作成支援サービスを立ち上げることになったのです。実際にお客様のところに赴き、Teachme Bizで手順書やマニュアルを作成したり、ノウハウ講座という名前のセミナーを企画していく中で、ふと思いました。

 「手順書」って「料理」に似てないか?

料理は愛情

突然ですが少し想像してみて下さい。もし皆さんが、ある村の村長さんから、いきなり「100名の村人に料理をつくってください」と頼まれたらどうしますか?

おそらく「え、何の料理を?」「食材はどうする?」「キッチン、包丁、鍋とか道具どうするの?」と混乱してしまうはずです。それは正しい反応ですし、誰だってそりゃテンパります。

ついつい「何をつくるのか」「どうやってつくるのか」といった「手段」軸目線で打ち手を考えちゃいがちですが、少し冷静になって考え直してみると「そもそも村長さんは、なんで村人に料理を提供しようとしてるんだろう?」という「目的」軸の整理がとても重要なことだと気づきます。

さらにその先には「村人ってどんな状況に置かれているんだろうな?」「たぶん年齢性別もバラバラだし味の好みも違うはず」といったように、より具体的に「どんな人のために」つくればよいのかという目線で計画に落とし込んでいくはずです。

村人が、とてつもない飢饉状態に陥っている人たちなのか、10年に一度のお祭りで大いに盛り上がっている人たちなのか、それによって提供すべき料理はガラッと変わってきます。仮に村の状態が把握できて、そこにいるのはいたって普通の村人たちだったとしても、よく話を聞くと辛い物が好きだったり、野菜しか食べなかったり、ダイエット中だったり、、、考え出したら本当にキリがないですね。

ただ、ひとつ言えることは、無計画に思いつくまま単に食事を提供しただけでは、決して村人は喜ばない(喜ばれるかもしれないけど確率が低い)し、料理をつくる自分自身も場当たり的な対応を迫れて大変、最悪のケースむなしくなったり悲しくなったりするだけだということです。辛い物が大嫌いなおじいさんに、食材にこだわり丹精込めてつくった特製カレーを提供したとしても「そんなもんいらんわ」と一蹴されて落胆(または逆ギレ)するのがオチですね。

料理は愛情とはよく言った言葉で、まさに通りだと思っています。まず料理をつくる目的があって、その先にいるであろう実際に食べる人たちの状況(年齢、性別、体調、好み、立場etc.)を正確に捉えて、相手に応じた料理や献立をつくってあげないと、本当に価値あるものは提供できないですよね。体質に適した食材の選定や食べやすい大きさにカットするなどの配慮もこれに含まれるのかもしれません。実は私の実家は飲食店を営んでいるのですが父も常々似たようなことを言っています。あと妻にも感謝。

手順書も一緒

ようやく手順書に話が戻ってきました。もうおわかりかとは思いますが、「村人100人に料理を提供すること」と「社員100名に手順書・マニュアルを提供すること」のプロセスはとても良く似ています。

実際に「手順書を準備しろと社長に言われて困っています」というお客様のご相談を伺っていると不思議なもので先述の料理の話と一緒。やっぱり「何の業務を手順書化する?」とか「エクセルでつくる?いやパワポがいいよ」みたいな「手段」軸の議論が先行しがちな様子が多く見受けられます。

しかし、そもそもの目的や、それを実際に閲覧してくれる人の存在を愚直に定義してあげることがとても大事で、それを抜きに手順書作成というプロジェクトは進められないと考えています。簡単に整理すると以下のプロセスイメージですね。

①そもそも、なんで料理(手順書)が必要なんだっけ?
②どんな人に食べて(見て)欲しいのか?その人の状況(業務課題)は?
③いつまでに誰が何の料理(手順書)をどうやってつくる?計画と準備は?
④つくった料理(手順書)をいつ誰がどうやって配膳(配布)する?
⑤万が一、不味い(見にくい、探しにくい)と指摘を受けた場合の対策は?
⑥美味しい(わかりやすい)と言ってくれるファンをもっと増やすには?

ちなみに、Teachme Bizの機能を単体でとらえた場合、③の「どうやってつくる?」と④の「どうやって配布する?」という領域においては圧倒的なパフォーマンスを発揮してくれます。特に「つくる」ことだけにフォーカスするとWord、Excel、PowerPointに比べると、だいたい1/5以下の工数で済みます(※私の感覚値含む)。

もちろん、単体の機能だけでは補いきれない領域については、カスタマーサクセス部門によるサポートにてカバーしますのでご安心を。あと余談ですが、実はその他の①~⑥+αの領域においてユーザー様をサポートできるような新規機能開発を考えたりしています。乞うご期待!

ここまで「料理は愛情が大事、手順書も一緒ですねー」ということをお伝えしてきました。

ま、私、実は料理とか一切できないんですけどね。。。

ただ、せっかくなので当社のスーパー情シスおかしんさんがつくってくれた「ごま豆乳鍋とビールで優勝する手順」を参考にしつつ、食べてくれる人(家族)のことをしっかり想像しながら今度の休日でトライしてみたいと思います。

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