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鉄道員が書く 人身事故発生!その時、現場は?

 前回のnoteから日が経ちました。購入していただいた方、ありがとうございます。今回は、人身事故発生時の各現場の行っていることや賠償のことその他お願いしたいことを中心に書かせていただきました。よろしくお願いいたします。



人身事故 そのとき現場は?

 ほぼ毎日日本各地で起きている人身事故。できれば遭遇したくない…ですが、駅や乗務員で従事していると現場に行かざるを得ないこともあります。現場にいけばほぼ壮絶な状態になっていることが多いですね。鉄の塊に突撃した人間は一瞬で悲惨な状態になります。跳ね飛ばされたあと、電車の脇に飛ばされるか正面に飛ばされたかで状態は変わります。脇に飛ばされたら最初の衝撃だけですが、正面に飛ばされると今度は車輪に轢かれることもあります。通過中の新幹線での人身事故はかなり時間がかかります。2時間~4時間程度でしょうか。特に夜間になると悲惨な状態になった場合は、探すのが大変です。そんな中、人身事故が発生したら各現場はどのようになっているのかまとめてみました。必ずこの通り進んでいるわけではありませんので1例と思ってください。

人身事故

 ここでの例はお昼ごろA駅近くの踏切にて人身事故が発生したという想定です。駅員・乗務員・指令員がそれぞれの行動をとり始めます。まず事故発生の一報が乗務員から届きます。指令は駅や乗務員に指示を出しつつ、運転ができる区間での折り返し運転を策定します。また、再開見込み時刻を検討します。(一般的に1時間程度、長く見積もる鉄道会社で1時間半程度です。※現場の状況で早まる場合や遅れる場合があります。)以降、駅は現場に向かう人と駅に残って案内する人に分かれます。場合によっては改札口を立ち入り禁止にし、改札内の滞留防止を行います。朝ラッシュ等であれば、ホームでの二次災害を防止するため入場規制やエスカレーターを止めるなど対応をします。 

乗務員や乗務員や救急隊などで負傷者の救出活動を行い、現場検証、車両に異常がないか確認をし、運転再開を行います。乗務員は職場に戻り、管理者に報告等が待っています。運転再開したあと、駅では払い戻し切符の確認などを行います。
 指令は車両の運用が乱れてしまっているため、車両運用を立て直します。
※車両運用とは、車両は走行距離によって検査を行ったり、その日に〇〇駅の車庫に入る予定が立っていますが、急な折り返し運転で予定が変わってしまいます。そのために、人身事故等のダイヤ乱れが収束したあとでも折り返し運転や急な行先変更を行うことがあるのです。


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