東北完全制覇(第四夜)その① 津軽鉄道

「日本最北の民鉄」を自称する津軽鉄道(津鉄)さん。「あれ、北海道は?」と思ったら、もはやJR北海道以外は公営鉄道しか残っていないという。その意味でも正しい自己紹介ですし、日本海側の最果てを目指すこの路線の雰囲気にもピッタリ合っているでしょう。

五所川原(津鉄さんは頭に「津軽」が付く)ではまだ小雨だった雨足は、北に向かうにつれて強くなり、窓の向こうの前面展望を歪めます。これが映画やドラマだったら「雨(止み)待ち」になるところですが、そんな時間の余裕など、乗りつぶし派にはありません。この冷たい雨も晩秋の津軽ならではということで、味わうことといたしましょう。

この「快速」は、12月から翌年の3月までは「ストーブ列車(津軽五所川原駅のホームの向かい側で出番を待っていました)」として運行されるスジ。乗降客数が20人以下の駅を飛ばしていく形です。これにも乗ってみたかったのですが、それは全線完乗を成し遂げたあとの楽しみにとっておくとして........車内は大半が私と同じ「旅の者」。五農校(青森県立五所川原農林高校)前で部活帰り?の学生さんが乗り込んできたのが目立つぐらいでした。

終点の津軽中里では転車台が復活していますが、それを利用して方向転換する車両はなし。「本州最北端の転車台」なるシンボリックな役割を務めるのみ。線路はホームの向こう、Y字ポイントの向こうの(昔は機回し線として使われていたであろう)単線で尽きています。

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