「貴様のハートの弱さは知っている」 ジョーンズとガヌーがTwitter War! スーパーファイトは実現するのか?(追記)


ジョン・ジョーンズとフランシス・ガヌーの間でTwitter戦争が勃発、両者の対戦気運が高まっている。

事の起こりは5月14日のUFCファイトナイト、オビンス・サンプルー(OSP)のヘビー級デビュー戦を観戦していたジョーンズがTwitterでつぶやいたことだった。

(ジョーンズ)OSPがヘビー級で戦っているなんて、オレにとってはなんだか生々しいよ。彼も通常体重は240パウンドだからね。OSPにもうちょっとスタミナがあればすごいんだけど。自分に置き換えて試合を楽しんだよ。


これに反応したのが、5月11日のUFC 249で恐怖の撲殺KO劇を披露したばかりのガヌーだった。

(ガヌー)どれくらい生々しいんだい、マイフレンド


ここから両者の舌戦が始まる。

(ジョーンズ)本気で生々しいんだよ、フランシス。貴様のクソパワーも、あんなゆっくり振り回しているようでは何の意味もない。
(ジョーンズ)お前らは、チアゴ・サントスとフランシス・ガヌーの、どちらがスピードがあって技術が高いストライカーだと思っているんだ? オレがガヌー戦を受けないと思うなら頭がどうかしているぞ。オレにはもうライトヘビー級で証明すべきことなど何もないんだ。そろそろビッグマネーファイトがあっていい。契約書を送ってこい。
(ジョーンズ)お前らの中にはもう10年以上も、オレがやられるところを見たいと思っているヤツがいるだろう。オレがついに大巨人と相まみえるなんて、ヨダレものだろう。お前らが期待したシーンは見られるかもしれないし、見られないかもしれない。問題は、いくら払えるんだという話だ。


(ガヌー)ジョニー坊や、まだそこにいるのかい?


(ジョーンズ)ああ、貴様とデリック・ルイスの試合をみて居眠りしていたところだ。貴様を怖がるやつなどいない。貴様のハートの弱さはもう知っている。この図体だけのオタク野郎。化けの皮を剥がしてやる。


(ガヌー)こちらもビデオをみていたところだが。


こうして、ほんの10日前には思いもつかなかった「ジョーンズ対ガヌー」が、こうして急に現実味を帯びてきてしまうと、膨らんだ期待感や想像力ははもはや後戻りをしてくれない。

状況的にも両選手の対決は時宜を得たものであると思われる。まず、両選手ともいまのところ、次の試合にブッキングされていない。ガヌーの場合、「スティペ・ミオシッチ対ダニエル・コーミエ3」の因縁戦が片づかないと、もはや期が熟し切ったヘビー級タイトル挑戦に歩を進めることができず、今後長い待機期間が予想される。ライトヘビー級での防衛戦を重ねているジョーンズも、最近では僅差の勝利が続いているものの、その姿はどこか退屈しているようにも見え、このあたりでモチベーションの高まった危険な姿をみたいところだ。そもそもジョーンズはかねてから、ヘビー級転向への色気も見せ続けていた。UFCにしても、海外選手の呼び寄せが難しいこの時期、PPVメインイベントにふさわしい試合の確保を急いでいるはずなのだ。

ジョーンズのライバル、ダニエル・コーミエもこの試合の実現に向けて、ジョーンズを褒め殺しだ。

私はジョーンズの悪口ならいつ何時でもいい続けられるが、褒めるところはちゃんと褒める。私は心から、ジョーンズ・ガヌー戦は、世界でもっとも物騒な試合になると信じている。ジョーンズほど実績のある男が、他の選手のことを怖がるはずなどないじゃないか。本物のファイターなら、この試合を実現させるはずだ。ジョーンズには脱帽だよ。

ただしUFCのデイナ・ホワイト社長は、この対戦の実現に慎重である。

2人がどこまで本気で言っているのか図りかねる。ただ一般的にいって、ネット上での挑発合戦と、実際に試合を組むこととの間には、大きなへだたりがあるものだ。

ESPNのAriel Helwani記者は、現状を次のように分析している。

特にジョーンズの場合、こうしたTweetは、ファン向けでもないし、ガヌーを挑発するためでもない。UFCに対してアピールをしていると考えた方がよい。試合はしてもよいが、ファイトマネーを弾め、という意味なのである。UFCにしても、このカードを実現させたくないはずもないが、だからといって交渉上いきなり話に飛びつくわけにも行かず、現段階では表向きは興味のないようなコメントを出すものである。どちらがどう歩み寄るかがポイントになりそうだ。

気の早いスポーツベッティング会社は早くもこの試合のオッズを発表している。BetOnlineの場合、ガヌーが-130(1.76倍)でフェイバリット、ジョーンズが+150(2.5倍)でアンダードッグだ。まさにポストコロナ時代初のスーパーファイト、決定を待ちたいところだ。
 

追記
現地時間5月22日、ジョーンズ、ガヌー両選手が、UFCとの交渉が難航していることを示唆するTweetを発信している。

(ジョーンズ)UFCは、フランシスとのスーパーファイトでオレがヘビー級に移るに際して、ファイトマネーを増やすつもりはないようだ。金額の話にすらならない。PPVボーナスで普段より稼げるかも、などと言っている。
(ジョーンズ)楽しかったよ、お前ら。1年か2年後かにまた会おう。
(ジョーンズ)感情的になっていたが、ちょっと落ち着いた。UFCがヘビー級でもっとも恐ろしい男と戦うオレに値打ちがあると見ていないことが悲しい。ヤン(ブラホビッチ)、キミが次みたいだ。
(ガヌー)私の見たところ、UFCは本来あるべき値段ではジョーンズ戦を実現させたくないようだ。
(ガヌー)タイトルマッチもない。スーパーファイトもない。自分の次戦はいったいどうなってしまうのだろう。また11か月も空かなければいいのだけれど。


レスリングオブザーバーは、巨額のファイトマネーを支払ってビッグファイトを組んでみても、どうせESPNからの売上は固定であること、ゲート収入が見込めないことなどの事情から、UFCとしては強気の交渉に出る可能性があると分析している。




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