離れて暮らす家族を扶養するには


【1】税法上の扶養の条件

別居の親を扶養するためには、常に生活費、療養費等の送金が行われているなど「同一生計」にしていることが必要となります。

上記のように、生活費の送金などが認められれば、別居の親を扶養していることが認められ、扶養している人が48万円の扶養控除を受けることができます。
(同居の親であれば、58万円の扶養控除が受けられます)。

国税庁のタックスアンサーには、
「源泉徴収義務者(会社)に対し、社員による生活費の送金等を証明する書類を提出することまで要求しないが、社員が銀行振込等により送金している事実を振込票などで確認することが好ましい」
と書かれています。

つまり、税務上、扶養・被扶養の関係を築くためには、特に何か特別な許認可は必要なく、確認を受けた際に実態を証明する記録があれば良いと考えて良いでしょう。

【2】社会保障制度上の条件

社会保障制度では、扶養される人の条件は、社会保険料を払う人(被保険者)に生計を維持して貰っていること、および、次の条件に該当することが必要です。


(1)扶養される人の収入要件
年間収入130万円未満(60歳以上は180万円未満)で
•同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分より少ないこと
•別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額より少ないこと


(2)同一世帯の条件
配偶者、直系尊属、子、孫、兄弟姉妹“以外”の3親等内の親族の場合、被保険者と同一世帯でなければなりません。

上に記載した【2】の条件を逆にみると、親子、孫、兄弟などの関係であれば、同一世帯でなくても社会保険制度上の扶養・被扶養の関係になれるということです。

つまり、親子、孫、兄弟などの関係で、【1】の別居の場合の収入要件を満たしていれば、離れて暮らしていても、扶養・被扶養の関係になることができるのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?