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お茶:旅箪笥で小田原の陣に思いを馳せる

4月に入り、街中で様々な花が咲き乱れています。
桜が終わった頃からツツジが咲き始め、甘い香りを漂わせています。

この季節に使われる、旅箪笥。(たびだんす)

元は、豊臣秀吉の小田原征伐に同行した利休さんが考案したもの。
京都から小田原までは距離がありますし、長期間に渡る遠征が見込まれていたので、少しでもお茶を通じてボスの秀吉に楽しんでもらおうと考えたのでしょう。
今の時代でいえば、長期海外出張に行く際に、少しでもホッとできる時間を持とうと考えて準備したようなものですね。

そんな旅箪笥ですが、3パターンの扱いを学んだので、メモします。

  1. 水差しを手前に引く。

  2. 中板を上板の上に乗せる。

  3. 中板を炉と棚の間に置き、芝点て。

旅箪笥を開けると分かることですが、これらのうちどれかをやらないと、中板が邪魔をして水差しのフタを開けることができません。

中でも3つ目の芝点てがいいですね。
中板の上に茶器や茶筅を置くので、まるで外でお茶をしているかのような雰囲気が想像されます。
文字通り、芝点て。

小田原の陣も、まさに春の季節だったようですから、それも見越してこんな道具をこしらえたとは、さすが利休さんですね。


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