外部人材が直接手を動かさない方向でやってます
同じことを思っている記事を見つけたのでメモします。
平野:1代目の山阪さんが築いたクリエイティブディレクター像がまずあって、それを、天宅さんと僕とで更新はしてきたんだけど。たとえば、自分たちの手を動かすことの意味はあまりないなという考えに変わってきました。
外部人材である私自身が手を動かしてシステム(アプリ)を作ったとしても、そのシステムは数年で終わって別のシステムに切り替わります。その時、ノウハウというか設計ドキュメントがたとえ残っていたとしても、結局職員が新しい業務に合わせて設計するのではなく、システム会社がその時点で業務分析・設計・開発を行うことになり、コスト(時間もお金も)が掛かることになります。
「自分たちの手を動かすことの意味はあまりないなという考え」がしっくりきています。この仕事について2ヶ月ほどで感じ、1年経っても変わりません。
何より、職員がデジタル領域でほとんど成長できず、ベンダーロックイン傾向が強まるのは望ましい未来ではないと思っています。
なので、職員自らkintoneを使って業務を改善していく「内製化」を進めています。
以下、ざっくりとした内製化事例の流れです。
1. 現場の問題を一番知っている職員が相談に来る
2. kintoneで簡単なモックを10分で作ってみせて「自分でできるかも」と思わせる
3. 職員にとりあえず簡単なアプリを作ってもらう(動画見ながら3時間程度で可)
4. 現場の問題に合うシステム(アプリ)を職員が作る
5. 作ったシステムの仮運用、マニュアル作成、本運用まで職員が行う
6. 運用しながら職員自らがメンテして使い勝手を良くしていく
そんな事例は2021年3月時点で少なくとも10数件は生まれています。
この仕組みの中に従来のPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルはありません。何ヶ月もかけてサイクルを回すこともありません。
作って動かし、作り直して動かし・・・を数日単位で繰り返すサイクルです。いわばPrepare(準備して)-Do(やってみる)を繰り返すだけのサイクルを職員自らがやっています。
もちろん、職員の学習コストも考慮が必要ですが、初回サイクルで開発に20時間を費やしたとして、2回目は5時間で開発できます。そういう事例の原石が現場にゴロゴロ転がっているので、現場職員自らがそのゴロゴロを見つけられるようになれば、行政事務がどんどん効率化でき、事務職員がサービス職員に変わる未来も見えてくるかと思っています。
ちなみにここでいう事例は、
この絵の黄色い部分のイメージです。外部委託で開発しても数10万円といった世界です。
その数10万円を委託するわけにもいかず、非常に非効率な紙とエクセル転記業務を続けていたような世界が、数10時間の現場職員のチャレンジで変わる(年間数10、数100時間単位で業務削減される)のは「実におもしろい」のです。
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