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ドーム球場のホワイトバランスはどう設定する?

前回、ナイターのホワイトバランス(WB)の特徴と設定についての考え方について書きました。

今回は球場別に、自然に見えるWBの設定を、実際の写真を見ながら考えてみましょう。

写真は、まずうちのカメラ(CANON EOS 7D Mark2)でAWB(自動調節)で撮影した写真と、その写真を後処理で自然に見えるようにWBの調整したものをお見せします。

後処理でなく現地でWBを設定する場合は、「マニュアル」「色温度」などのモードで数値を合わせるか、数値が近いモードに合わせましょう。WBのモードや色温度については、以下のサイトを参考にしてみてください。

*注意*
・ここでAWBとして掲載している写真は、あくまでうちのカメラでのAWBなので、他のカメラでも同じ数値や色味になるとは限りません。

ということで、実際の写真を見ていきましょう。質問された方が、ドーム球場でうまくいかない、ということだったので、ドーム球場の写真から行きます。まずは一番最近行ったメットライフドームから。外光が入る球場なので普通のドームではないですが、いちおうドームのくくりで笑

メットライフドーム

以下に2枚の写真をつづけて掲載します。

1.AWB(3900K)
2.WB調整後(3300K)です。

AWBは少し黄色が強いかなと思ったので、色温度を下げて青っぽくしてみました。わかりやすくするため、あえて少し青を強めにしています。白いユニに出ているシワの影とか、少し青っぽいですよね。600K変えると、このくらいの違いが出るんですね。

なお、より適正に近いのは3600Kくらいかなと思うので、そちらも以下に掲載しましょう。

数値的にも上の2枚のちょうど中間で、いい感じかなと思います。ただこのへんってもはや好みの問題とも言えるので、この3枚を見比べて、一番好きな感じの数値に合わせればいいと思います。はっきりとした正解があるわけではありません。

というわけで、「マニュアル」や「色温度」モードなら3300~3900Kあたりのどこかに合わせるのが、メットライフドームではよさそうですね。ちなみにその他のモードだとここに近いのは、「白熱電球(3200K)」か「白色蛍光灯(4000K)」と、絶妙に合っていません笑

ただまぁ100Kの差なので、最初の2枚がそれぞれ非常に近いです。色温度を数値で指定できない機種の場合は、「白熱電球」(2枚目に近い)か「白色蛍光灯」(1枚目に近い)を選ぶのがよさそうです。

では次!

ナゴヤドーム

こちらも2枚行きましょう。
1.AWB(4650K)
2.WB調整後(4300K)

メットライフドームに比べると、AWBで750K高いですね。あ、ちなみにこれは2018年5月に撮ったものです。もしかすると球場の改修などで照明灯が変わっている可能性もあるので、その点ご了承ください。

AWBだと気持ち黄色が強いかな、と感じたので350K下げて青っぽくしましたが、これも好みのレベルでしょう。メットライフドームに比べると、素直な色なのかなと。モードでいうと「白色蛍光灯(4000K)」と「太陽光(5200K)」の中間くらい。数値で指定できない機種の場合は、下手にモードを固定するより、AWBのほうが自然に仕上がりそうです。

さて、つづいては!

東京ドーム

一言で「ドーム」というと、ここを指すことが多いでしょう。

ただ実は、オレが東京ドームに写真を撮りに行ったことは1度しかありません。だって写真撮れるような席、取れないんだもん。というわけで唯一のサンプルとなる写真は2016年9月10日。そう、カープが25年ぶりの優勝を成し遂げた日の試合です。

また、この日は打席をうまく撮れない席だったので、ホーム付近の写真で行きます。
1.AWB(4250K)
2.調整後(4000K)

AWBは気持ち黄色が強いかな、と思ったので250K青に振ってみましたが、顔色があまりよくない感じになったので、むしろ4250Kのほうがいいかもしれません。

ちなみにこのシーンは、反撃の狼煙となるHRを放ってホームに帰ってきた誠也です。カッコいいですね!

この日の写真は、もう1枚マウンド付近のものを行きましょう。
1.AWB(4500K)
2.調整後(4000K)

あの新井さんと黒田の抱擁シーンです。なぜこれを掲載したかというと、ただ見てほしかったからです。何度見ても最高のシーン!!!

ちなみにWBは、AWBだと若干黄色が強い気がするけど、500K下げると顔色が少し悪くなります。このへんはお好みでどうぞ。モードでいうと、「白色蛍光灯(4000K)」が近いですね。東京ドームは、このモード固定でも自然に仕上がりそうです。

ドーム、サクッとあと2球場行きますね。

ヤフオクドーム

これは2018年の日本シリーズです。
1.AWB(4050K)
2.調整後(4300K)

新井さんの最後の勇姿。AWBが気持ち青っぽいかなと思い、250K黄色に振ってみました。でもAWBのほうがいいような気もします。お好みで。これもモード的には「白色蛍光灯(4000K)」が近いですね。東京ドームとほぼ同じか。

札幌ドーム

これは2016年の日本シリーズですね。もしかしたら今は照明灯が変わっているかもしれません。
1.AWB(5100K)
2.調整後(5700K)

これはAWBがほぼ適正かな、って感じですが、あえて少し黄色に振ってみました。これはこれでキレイな気もします。お好みで。他の球場に比べると色温度はかなり高め。モード的には「太陽光(5200K)」固定でもいけちゃいそうですね。

球場によって色温度は違う

こうしてみると、ひとくちにドームと言っても、球場によってずいぶん違うことがわかります。球場に合わせてマニュアル設定することで、思うような色味の写真にしやすくなりそうですね。また、AWBがまずまず優秀なことにも気づいていただけたかと思います(機種にもよるとは思いますが)。

マニュアルで撮るぞ、とお思いの方は、いちおうこの記事の情報を参考にしていただきつつ、できれば球場に早めに行って、マニュアルで何枚か撮ってみて、お好みの色味を事前に見つけておくのがいいかもしれません。

ドーム球場はこのくらいにして、次の記事ではマツダスタジアムを含む、屋外球場のナイターのWBについて書いていきますね。

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