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ホワイトバランスはどうするべきか? ~ナイター編

前回は、デーゲームのホワイトバランスについて書きました。

今回は、ナイターのホワイトバランス(WB)です。

まずは、ナイター時の光の状態について、特徴を挙げてみます。3つあります。

1.時間とともに変化していく

ナイターの始まる18時って、特に今の時期(初夏)はそうですけどまだ明るいですね。試合開始ごろは太陽光がメインで、そこから暗くなっていき、照明灯の光がメインに変わっていきます。1,2時間は色温度が刻々と変化していくわけです。

2.照明灯の当たり方は場所によって意外とムラがある

ふつうに肉眼で試合を見ているぶんにはほとんど気にならないと思いますが、球場の照明ってグラウンドの場所によって当たり方が違います。マウンドと打席が一番明るく照らされていて、内野はそれより少し暗く、外野に行くとさらに暗いです。そして明るさだけじゃなくて、色温度も少し違うんですね。大きな差ではないんですが、写真を撮って見比べると、ちょっと違うことに気づくと思います。

3.球場によって照明灯の色がぜんぜん違う

これは、色に敏感な方なら球場に行くだけで気づいているかもしれませんが、照明灯の光って球場によってぜんぜん違うんですね。写真に撮るとそれがさらに顕著になって、はっきりわかります。これはカメラにとってもなかなか曲者らしく、AWB(自動調節)で撮ってもなんだかおかしな色になったりします。

個人的な印象としては、横浜スタジアムは比較的素直な色がでやすいです。一方、神宮球場はなんだか黄色っぽいような不自然な色になりやすいです。マツダスタジアムは、素直さはその中間くらいで、色はまた独特な感じですね。

今回色味について質問された方は「ドーム球場で特にうまくいかない」とのことで、ちょっとどこのドームかはわかりませんが、過去にいくつかのドーム球場で写真を撮っているので、あとでそちらを見てみましょう。球場別の写真は、次の記事でまとめます。

では、WBはどうするべき?

さて、ナイターの光の特徴はこんな感じ。では、WBはどんなふうに調整していくとよさそうでしょうか?

最初にオレの方法をお伝えすると、基本的にはAWBです。理由は、現地で最重要なのはシャッターチャンスなので、WBは後処理でいいや、と割り切っているから。今は詳しくは書きませんが、RAWというデータ形式で記録しておくとWBに関しては画質の劣化なくあとから調整できるので、「後処理しよう」と決めてしまえば、撮影時に気にする必要がなくなるんですね。

上記の1,2の特徴については、AWBでクリアしたほうがいいかなと思います。特に1に関しては、夕方から夜にかけてってかなり急激に変化していくので、状態に合わせてWBを手動で調整していくのはかなり熟練しない限り現実的ではなさそうです。

ただ、問題は3です。先ほど少し触れたように、球場によってはAWBでは自然な色にならないので、後処理をしない前提だとなんだか変な色の写真ができあがります。そこをクリアするには、照明灯がメインになるころに、WBを変更する必要がありそうです。太陽の影響がほとんどないドーム球場の場合は、最初から調整した状態で行けそうですね。

では、後処理をしない前提だと、ナイターのWBはどうすればいいでしょうか? これは球場によって異なるので、次の記事で実際の写真を見ながら、球場別の調整を考えてみましょう。

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