背徳機械V
デッキ認識
第一に背徳の狂獣がデッキに採用されたことで、従来(アディショナル前)の機械Vと性質が変化していることを理解する必要がある。
目指すべき機械破壊カウントの変化
アディ前
ノインでの盤面形成や機械神での処理範囲の拡大のように、機械破壊カウントが直接的にアドバンテージの獲得に貢献できたため、重要度が高かった。
序盤押しから7tでのモノによる詰め切りといった試合展開も発生する。
カウントを進める=テンポの獲得であり、盤面の巻き返しが難しい性質の関係も含め、機械破壊カウントを稼ぐ方針は理にかなっている。
先7t:モノの起動(7枚)先8t:神後のノイン、ナースの起動(10枚)
後7t:神の着地が困難な状況でのノイン(10枚)
後6t:機械神のバリュー上げ(進化権温存のため)
アディ後
背徳や3cドローソースのような機械破壊カウントの進まないカードのプレイを前提とするため、アディ前の想定でカウントを貯めることが難しい。
神の着地と同時にテンポの回収が図れるようになり、後手であっても神の着地を目指す方針を取れるようになった。
直接打点の増加によって平均リーサルターンが早くなった。
共通8t:神後ターンのモノ起動(7枚)
ボードの管理(テンポ獲得、巻き返し)
アディ前
即時的な打点(処理を含む)が極端に少なく、攻め・守りのどちらの場合においても盤面の形成を挟む必要があった。
一度失ったテンポを巻き返すことが難しく、マナパスのリスクが非常に大きい。
アディ後
背徳によって毎ターンの1点に加え、ドローソースがテンポを回収する札に換算できるようになり、テンポを失うリスクが軽減されるようになった。
自然カードの採用、価値
アディ前
ワンダーコックによるサーチ先が本体と融合先で確定しており、プレイ基準が明確になっていた。
アディ後
背徳の追加によってサーチ先が不確定となり、一定のリスクが発生するようになった。
背徳をプレイする場合、手札の自然カードが1枚消失するため、神着地までに引かなければいけない自然カードの枚数が増加した。
進化権の用途・重要性
アディ前
進化フォロワーがナースのみかつ自らで進化権の回復が行えるため、自由度が高い。
アディ後
背徳を起動するための進化権を用意する(残す)必要がある。
機械破壊カウントが貯まりづらく、ナースでの進化権回復の見込みが薄くなった。
これらの変化を前提として、構築・マリガン・大局観の説明とする。
構築の採用・不採用
マシンエンジェル3
2c相当のカード。機械Vにおける2c帯は選択肢が限られており、このカードを差し置いて採用する2cがプール上に存在しない。
マリガンで特定のカードを探すため、採用できる2cは最大投入するべきと考える。
ワンダーコック3
手札に必要となる自然カードが増加したこと、背徳・神のバリューを上げるために手札を貯める重要性が上がった。
アディ前のリスクであった、デッキ内の自然カードが枯渇やプレイした際のテンポロスが背徳によって軽減された。
背徳3
進化権フォロワーであること、神までのターンに起動する必要があることから、遅くとも6tまでには引かなければいけない。
融合先の自然カードとしての価値もあるため被るリスクも少なく、引かないことによるデッキの出力低下のほうが問題である。
コア3
このデッキに置けるテンポロスの巻き返し手段の一つとしてライフで受ける選択をする際に必要となる。
神で引くランダム要素を前提としても後手の捲りとして必要と考えており、構築段階で確率を落とすことは許容できない。
スレイ2
このデッキに置ける役割が明確に存在する。
1.進化権の温存
7tでの神コアを想定して進化権を温存する必要があり、疾走突進による盤面の処理とドレインでの回復によって延命する要素を兼ね備える。
2.リーサルラインの拡大、実質的なモノの追加
試合速度が早くなり、ライフを奪う価値が上がっている。
6t疾走や神後のモノスレイによるOTKによって継戦能力の低下した性質の補填として作用する。
神のドローによって1打点でも多く与える、コアのトップ率を上げるためにモノを融合させたり、序盤のテンポとしてのモノ消費によるデッキ内打点の減少のリスクを抑える働きも持つ。
手札を増やすプレイ方針とも合致し、起動を見込みやすい(相互関係)
アーマードバット
3cの増加によって採用することでのマナパス率増加は好ましくない。
機械破壊カウント及びテンポ獲得としての役割がデッキ性質と噛み合わないため採用は見送り。
機械神
機械破壊カウントを貯められなくなったため、効力が安定しなくなった。
試合を決めるターンを早めに設定しているため、長期戦の活躍を期待するこのカードはデッキの性質に合わない。
入れ替える枠(コアやスレイ)を押しのけての採用は一貫性に欠ける。
ネレイア
6tの行動が3c2枚やスレイを想定すること、長期戦の想定を重く見ていないこと、必要以上の非機械カードを積みたくないことが理由として挙げられる。
カードパワーとしては高いがデッキには合わないといった認識。
マリガン
基準のみ記載。
先攻
優先度大
背徳、悪夢、ワンダーコック
優先度小
2c相当(メカゴブリン・マシンエンジェル)、フロートボード、ノイン
7t背徳起動時の神着地及びバリュー上げを最優先とする。
優先度小の2cについては背徳+3cドローソースをセットで持っている場合のパスを考慮してキープする。
2cの単キープは優先度大のカードの初手率を下げてしまうこと、2cの被りによる手札の質の低下が2パス以上のリスクと考えているため推奨しない。
(構築段階でリスクを軽減)
ノインについては序盤の盤面押しが有効となる対面かつ2−3の動きがノインにくっつく場合のみキープを検討する。
ノインー悪鬼+2cまたは3cのセットキープも検討対象。
後攻
優先度大
背徳、ナース、悪夢
優先度小
2c相当、フロートボード、デュアルエンジェル、モノ、ワンダーコック
概ね先攻と変わらないが2パスのリスクと進化ターンでの行動において違いがある。
2パスのリスクについては言うまでもないが、2cのキープ対象を広げることで対応する。
フロートボードのキープはテンポ面に問題があるため、悪夢のみとセットとしトレード性能を持てるのが条件となる。
ワンダーコックについてはテンポ面の不安があるため単キープは避けるが、2cとのセットでセットキープの対象としたい。ワンダーコックのプレイによって背徳の確率が飛躍的に上がることが大きい。
試合中の思考、大局的視点
前述のとおり、神着地とそれまでの背徳起動、次ターンのリーサルが大筋の流れと考える。
神のバリューを上げるために手札枚数の維持すること、試合を続けるために必要な処理範囲の想定が神前の行動指針となる。
神着地後は手札・デッキ内のリソースを元に、ライフをどのように削り切るかをイメージする。
悪鬼や追加の神がない場合は手札内のカードのみで算段をつける。
スレイ・モノを既に消費しているため、盤面形成を挟む。など
具体例1
背徳起動済、モノ・コア消費なし、低コストのシフトなし
スティンガーの処理を選択する場合進化権を要求されてる。
ライフで受けることができそうに見えるため、次の神着地に備え手札を整えるターンとした。
ワンダーコックのドローでエンシェントが破壊できた。
デッキ内のコアやモノの引く可能性があるためフロートボードは出さない。
具体例2
先の続きで神を出した後の状況
相手盤面が貧弱で、スレイを投げることでライフ回復と顔詰めできる。
2枚目の神を盤面処理の札として役割を持たせたい。
手札を整える意味合いとして悪夢がバリュー高く消費できそう。
といったイメージを元にプレイ。
後づけではあるが、神投げと0モノがくっついてくれる。
結果、進化権を残した余裕がありつつ、モノ1枚によって削りきり勝利。
具体例3
背徳・ナースの起動はなし、スレイ1枚消費、モノ3未使用、リノ未使用
8tのリーサルを想定し神を投げる選択かスレイ投げのどちらかに見える。
このターンにスレイを投げない場合は6c支払う余裕はないため、神の融合素材となる。
デッキ内の打点が残りモノ2枚であること、対面的にノインでの盤面形成からの打点は見込めないことを考え、スレイを投げることに。
リーサル回避のための妖精竜や、ガイアやコッコロによる盤面形成の処理として神が役割を持つことも要因として挙げられる。
次ターンで盤面を形成されるも神の温存によって被害は抑えられた。
背徳が起動していない状況ではデッキとして出せる打点が大幅に失われるため、どのようにライフを詰め切るかを考える必要がある。
上記の具体例で共通する内容として、
神を除去の手段として検討することが大切となる。
デッキ内に機械神やネレイアのような多面処理のカードを採用していないことを意識したい。モノでの除去も可能であるが、打点を失っていることは理解しなくてはいけない。
おわり