よく言われるSNSのコツとは

シティプロモーション(魅力発信)とは、言ってしまえば「マメに発信すること」です。そして、マメに発信しようと思えば、様々な媒体を通じて他人と意思疎通を図ろうという気持ちが欠かせません。つまり、テクニカルなターゲティングやマーケティング以前に、人と人とのコミュニケーションこそ要諦となります。

では、人とは誰か。まずは担当者である自分自身、そして周りの職員、役所組織、さらには消費者、移住者、勤労者、店舗スタッフ、企業など。彼らが個人的に友達を増やす=仲良しコミュニティを拡大し、我がまちのことを良くも悪くも話題にし、推奨するコミュニケーションがまちへの信頼につながるわけです。まちが人に愛され、多くの人からここに暮らしつ続けたいと思ってもらうことで、他市との比較競争ではない唯一無二のシティプロモーションが実現します。

SNSのコツ1つめは「個人の意識」です。

SNSで役所言葉を語られても面白くない。SNSは生身の「誰か」が言うほうがいい。もちろん、役所として適性を欠く「誰か」は論外です。SNSの受け手にとって、顔や名前が思い浮かぶ要素はとても大事です。好きでも嫌いでも、気にしてもらうためには、人の顔が浮かぶような生身の人の発信が求められていると思います。首長とは違いますが、管理職そして一般職員も、職員個人に不利益が及ぶ恐れがない内容なら、個人名を出しても差し支えないのではと思います。

SNSのコツ2つめは「建前より本音」です。

せっかく生身の「誰か」が話しているのだから、本当にその人が心から思っているのだと伝わったほうが、はるかにレバレッジがかかります。もちろん、役所として適性を欠く本音は論外ですが、心にも思っていないキレイごとや、役所の公式見解や通知文書を写すのではなく、心の底からこの人が書いていると「思わせる」ことが大事です。市民に「思わせる」だけならそんなに難しくないと思います。

3つめはSNSだからこそ「WHYが大事」です。

どんな発信でも、「誰が」「何を」「なぜ」言おうとしているのかを説明するから、納得感=共感が広がります。紙面が限られている広報紙とは違い、とき・ところ・定員などは後回しにして、WHYを説明し腑に落とし共感を醸成することで、SNSのメリットを享受できます。もちろん、個人のアカウントではなく役所のアカウントですので、担当職員が「想い」をいかに上司や組織に理解してもらうか。そういう仕事がSNSだということです。

以上のことをふまえると、単に名前を出せば済むわけでもないし、名前がなくても伝わる想いもあるし、事務的な作業でもそれなりに共感される文章は書けますし、コメントに返信しろなんて1回も言った覚えがありません。河内長野市として、課として、上記3つくらいの労力なら、SNSに裂いてもいいでしょうか。ただし、担当職員が自分の仕事に「想い」を持っていないなら代えてあげるべきですが。

そもそも、私が入庁した20年前はホームページすらなく、情報発信の作業なんてそんなにありませんでした。そんな時代と同じように、広報紙にさえ載せとけばいいとすれば時代錯誤です。とはいえ、多くの職員がSNSの入口で躊躇して数年たったら異動や昇任していきますので、SNSを使わなくても評価に関係ありません。だからやらなくていいのか。そんなことはありません。河内長野市職員一人一人が持つ市政情報を市民の皆さんに届けたいという「想い」が、河内長野市の未来をつくります。だから、一緒にやりませんか。