郊外の時代になるわけない

SUUMO編集部がどんなことを書いても、コロナ禍をきっかけにリモートワークが広がっても、「都心が衰退し郊外の時代になる」なんて絶対に嘘です。そんな簡単に東京一極集中は終わりません。いくら生活の多様性が進んでも、コストパフォーマンスに勝るニーズは今のところ見当たりません。住宅を買うなら10年後の資産価値を考えるし、仕事や生活の有利さを優先します。

一方で、ウィズ・コロナの新しい制度やニーズ、ニュービジネスが生まれています。郊外の時代はやって来ずとも、我々行政機関が生き残るために、この社会変化に適切に対応する必要があるのです。

例えば、在宅勤務・リモートワークを前提とした雇用が増えています。これは地域活性化のチャンスです。在宅勤務者=純ホワイトワーカー=クリエイティブ人材の集まる地域が発展します。なぜなら、彼らは近所を散歩やジョギングする。あるいは買い物や外食に出かける。人との出会いを求め、図書館や駅前にシェアオフィスを訪れる。そして、もっと楽しい地域があればいずれ転出してしまう。

では、地域として彼らをどう引き留めるのか。きれいな空気と緑でしょうか。住宅物件の価格でしょうか。美しい街並みや文化の香りでしょうか。やすらげるカフェや図書館などでしょうか。知らない人と出会える場づくりでしょうか。私は、私自身が仲間になることだと思います。友だちがいれば出ていかない。奇しくも、だんじり祭りが示してくれています。

つまり、市民と仲間のようなコミュニケーションや関係になれる行政機関が生き残ります。市民からコストパフォーマンス以上に必要だと思われるからです。