がんをめぐる冒険(12)遺伝子検査と原発不明がんの疑い

  検査手術のスケジュールの合間に、今度は腫瘍科を受診しました。こちらはがんに関するスペシャリスト。婦人科系のがんは遺伝性のがんも多く、腫瘍科の先生にも診断を仰ぐようです。私は原発と思われる左卵管と卵巣のほか、右足の付け根のしこり(転移がん)があるので、そういった意味でも腫瘍科の先生の診断が必要でした。
 腫瘍科の先生は
「アンジェリーナジョリーが手術したの知ってる?」
 と遺伝性のがんについて説明してくれ、遺伝子検査を勧められました。アメリカに血液と生検を送って検査するそうで、保険外で検査すると100万円超。保険適用だと10万円程度。もう高額の検査しまくりで、すでに高額医療の範囲を超えているので、実費はそう増えることもないし、この際全部調べてくれるなら、という気持ちもあり、遺伝子検査を受けることに。腫瘍科の先生はその場で電話をしてくれて、予約をとってくれました。
 そして問題は「原発不明がんの疑い」です。

 他に転移もないので、左の卵巣卵管と右足付け根の2ヵ所を手術でとってもらえばいいと楽観視していたのですが、意外とそうでもなく……。本来、原発が卵巣とすれば、右足の付け根に転移するまでに歩んだルートに「青い鳥」のパンくずのようにがんができるはず。それがないということは、転移がんが卵巣のがんに由来するものかどうかわからない。と、すると、転移がんのモトはどこなのか? 

 モトがわからない転移がんは「原発不明がん」になってしまうというのです。
 で、原発不明がんになると、婦人科の管轄外になり、別の科で面倒を見てもらう必要があります。とはいえ、どこの科にも属さないとなるとどうなるかわからない。どこで面倒見てもらえるのか、もしかしたらこの大学病院でも面倒見てくれないかも?? 放置している間に、足の付け根の転移がんが広がる可能性もあるので、次の手段を考えなければなりません。
 次なる冒険が始まりました。

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